「生成AIはどんな質問のとき”検索”するのか」を5分野628種類・延べ3,000回超で実測

〜購買のおすすめや価格は9割前後が検索、やり方・定番知識は3割前後。そして検索の有無でも、AIが推薦する1位は入れ替わる〜
ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexity 等のAI検索エンジンでの引用・参照を意識した記事制作、LLMO・SEO対策を手がける株式会社はちのす制作(本社:東京都品川区、代表取締役:小林和司、以下「はちのす制作」)は、生成AI(ChatGPT/Google Gemini)が質問に答えるとき「その場でWebを検索して答えるか」「検索せず学習済みの知識だけで答えるか」を、実際の検索語句をもとに作成した628種類の質問・延べ3,000回超のAI応答で実測しました。
私たちは「生成AIに聞けば最新情報を調べて答えてくれる」と思いがちです。しかし実際には、AIは質問ごとに「調べて答えるか/覚えている知識だけで答えるか」を自動で選んでおり、しかもその選択は、利用者からは見えにくいまま行われています。本調査は、①どんな質問のときAIが検索に動くのか、②検索したかどうかで答え(推奨ブランド)がどれだけ変わるのか、の2点を可視化することを目的としています。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査機関 | 株式会社はちのす制作 |
| 調査対象 | 生成AIモデル ChatGPT(GPT-5.5)/Google Gemini(Gemini 3.5 Flash) |
| 調査対象の質問 | 家電・ガジェット・美容・通信/金融・BtoB SaaSの5分野/628種類 |
| 質問の作り方 | 実際の検索語句(例:「テレビ おすすめ メーカー」「洗濯機 一人暮らし」「エアコン 掃除」)をもとに、人が生成AIに打ち込むような自然な質問文に変換して作成 |
| 調査期間 | 2026年7月5日〜6日 |
| サンプルサイズ | 延べ3,000回超のAI応答 |
| 調査方法 | 2部構成。(1)検索行動の計測:628種類の質問を、AIが検索できる状態で投げ、検索が実行されたか否かを回答に残る痕跡から判定(判定の妥当性は別途100件で検証。詳細は末尾「調査方法の補足」)。(2)回答の比較:答えが複数ブランドのリストになる150種類の質問を、検索できる状態と検索せず知識だけで答える状態の両方で複数回ずつ投げ、推奨1位を比較。 |
| 注釈 | 構成比は四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。本調査はGPT-5.5・Gemini 3.5 Flashの非ログイン標準状態での計測です。検索実行率は保守的な下限値です(後述)。 |
実際に使用した質問の例
| 質問タイプ | もとにした検索語句 | 実際に投げた質問文 |
|---|---|---|
| 購買相談 | テレビ おすすめ メーカー | 「テレビでおすすめのメーカーはどこ?」 |
| 購買直前 | 冷蔵庫 型落ち 安い | 「日立の500Lの型落ち冷蔵庫ってどこで安く買える?」 |
| 事実確認 | 冷蔵庫 重さ | 「200Lの冷蔵庫の重さってどのくらい?」 |
| ハウツー | 冷蔵庫 うるさい 対処 | 「冷蔵庫がうるさい時の対処法は?」 |
調査結果トピックス
発見1:生成AIは「質問のタイプ」によって検索するかを大きく変える
ChatGPT・Geminiとも、質問のタイプによってWeb検索を使う割合が階段状に変わることが分かりました。商品のおすすめや価格など「最新情報が要る」質問では9割前後が検索する一方、やり方や定番知識はAIの学習した知識で答える傾向が明確に表れました。
【図1:質問タイプ別の検索実行率 ↓】
| 質問タイプ | 検索実行率(両AI平均) |
|---|---|
| 購買相談(「〜でおすすめは?」) | 93% |
| 購買直前(価格・在庫) | 89% |
| 事実確認(定義・寿命など) | 54% |
| ハウツー(やり方) | 31% |
発見2:検索の有無でも、推奨1位は入れ替わる(ただし上位グループは概ね維持)
答えが複数ブランドのリストになる150問を、AIが検索できる状態と、検索せず知識だけで答える状態の両方で取得し、推奨されたブランドを複数の観点で比較しました。
【図2:検索あり・なしで、推奨がどれだけ一致したか ↓】
| 比較の観点(検索あり vs 検索なし) | ChatGPT | Gemini |
|---|---|---|
| 推奨1位の一致 | 約58% | 約57% |
| 上位3社の顔ぶれの重なり(1.0で完全一致) | 0.60 | 0.58 |
| 上位3社が”総入れ替わり”だった質問 | 約1割 | 1割未満 |
| 推奨1位に登場した銘柄数(なし→あり) | 51→59社 | 57→62社 |
読み取れるのは、次の構造です。検索の有無によって「1位の座」は4割前後入れ替わる一方、上位3社の顔ぶれ自体はおおむね維持され(重なり0.6前後・総入れ替わりは1割前後)、むしろ検索を入れると1位に登場する銘柄はやや増えます。
つまり検索は、上位グループを丸ごと入れ替えるのではなく、その中で「誰を1位にするか」をシャッフルする形で働いています。
実際に、以下のように検索の有無で推奨1位が入れ替わった例があります。
| 質問 | 記憶だけで答えたとき | 検索して答えたとき |
|---|---|---|
| 冷蔵庫でおすすめのメーカーは? | 日立 | 三菱電機 |
| 掃除機でおすすめのメーカーは? | パナソニック | 日立 |
| 省エネなエアコンでおすすめのメーカーは? | パナソニック | 三菱電機 |
学習した知識に無い最新情報(新製品や価格など)ほど、検索の有無によって答えが変わりやすくなります。「生成AIはこう答える」という一度きりの結果や、検索を伴わない計測は、実際にユーザーが目にする答えとずれる可能性があります。
考察
今回の調査でもっとも重要なのは、この「検索するか/記憶で答えるか」という選択が、利用者に意識されないまま、推奨されるブランドまで左右しているという点です。生成AIの回答は固定的なものではなく、質問のタイプ(最新情報が要るか)によって検索するかどうかが大きく分かれ、その判断によって答えが変わります。特に、商品のおすすめや価格に関する質問では9割前後で検索が起こり、そこで参照される情報源によって推奨が入れ替わります。
さらに、AIの推薦は、検索の有無にかかわらず、同じ質問を繰り返すだけでも揺らぐことが、当社の別の大規模調査で分かっています。10業種・100クエリを各50回ずつ、合計15,000回試行した反復調査では、最も多く1位に推薦される筆頭ブランドが実際に1位に出る割合は平均77.7%にとどまりました(2026年7月にプレスリリース「AI検索の推薦順位は『毎回』も『3ヶ月』も揺れる」として公表)。その調査では、1位は入れ替わっても筆頭ブランドがトップ3圏内に残る割合は90.8%と高く、「1位は流動的でも上位グループは安定」という構造が示されました。本調査で見た検索の有無による変化も、まさに同じ構造——上位3社の顔ぶれは保ったまま、その中で1位がシャッフルされる——を示しており、”繰り返し”でも”検索の有無”でも、AIの推薦は同じ形で揺らぐことが分かります。
さらに、この反復による揺れ(検索なし・検索ありの両方の揺れ)を差し引いてもなお、検索の有無によって推奨1位の一致率は約13ポイント低下しました(統計的に有意)。つまり、単なる繰り返しのばらつきだけでは説明できない形で、検索の有無が推奨を動かしています。反復(別調査で頑健に確認)と検索という2つの要因が、AIの推薦を二重に揺らしているといえます。
まとめると、ユーザーが実際に目にする”おすすめ”の入れ替わりは、単一の原因ではなく、(1)AIの推薦がもともと揺らぐこと(当社の15,000回試行の反復調査)、(2)その質問で検索が実行されるか(発見1)、(3)検索が実行されたとき参照される情報源(発見2)——という複数の要因が重なって決まります。
これは、企業が「生成AIに自社がどう紹介されているか」を把握しようとする際の重要な前提です。検索を伴わない状態や、一度きりの結果だけで判断すると、実際にユーザーが目にする答えとずれた結論になりかねません。
ユーザーが実際に触れる状態に近い形で、継続的に確認していく必要があります。
はちのす制作は、生成AI上でのブランドの見え方を計測・改善するツール「MIRROR」を提供しており、本調査で得られた知見を計測手法に反映しています。
今後の展開
・分野・モデルを広げた継続調査(本調査は5分野・2モデル)
・検索が起こった際に「どの情報源が推奨を左右するか」の分析
・時系列での推奨変動のモニタリング
調査方法の補足
AIが実際に検索したかどうかは、回答に残る参照情報などの痕跡から判定しています。
この判定の信頼性は、検索の実行有無を明示的に記録できる別経路(公式API)で同じ質問100件を照合して確認しました。痕跡から「検索した」と判定した回答は、その98%(50件中49件)が公式APIでも実際に検索していたことが確認でき、判定は信頼できます。
一方で、公式APIの方が全体としてはより多く検索していた(100件中、公式API64件に対し、痕跡判定では50件)ため、本リリースの検索実行率は、実際よりも低めに出る保守的な下限値として提示しています。
また、発見2の「検索あり」の状態でも、Geminiでは約4分の1の回で検索が実行されませんでした(検索が実際に実行された回答だけに限定しても、傾向は変わりません)。
集計は質問単位(150問)で行っています。
引用・転載時のクレジット表記
本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。 <例>「AI検索での引用・参照を意識した記事制作やLLMO・SEO対策を手がける株式会社はちのす制作( https://hachinosu-seisaku.co.jp/ )が実施した調査結果によると……」
【運営サービス】
・LLMO Branding 記事制作サービス:https://hachinosu-seisaku.co.jp/service/llmo-branding-kijiseisaku/
・【営業資料の受注率を上げる専門】アンケート調査代行サービス:https://hachinosu-seisaku.co.jp/sales-survey/
・アンケート調査×ホワイトペーパー制作サービス:https://hachinosu-seisaku.co.jp/surveys-white-paper/
・プレスリリース運用支援サービス:https://hachinosu-seisaku.co.jp/press-release/
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