AI検索で推薦される「1位」は、同じ質問を繰り返しても一致率が66.9%にとどまる ― 3,450試行の反復調査で判明した推薦順位の揺らぎ

〜 ChatGPT・Gemini・Google AI Mode の3プラットフォーム・5業種で検証。最頻1位ブランドは、1位を外してもTop3圏内には約86%の確率で残る 〜
営業資料の受注率やLP成約率向上を支援するアンケート調査・分析、法人向けリード獲得支援、LLMO・ブランディング記事作成・オウンドメディア運営を手がける株式会社はちのす制作(本社:東京都品川区、代表取締役:小林和司、以下「はちのす制作」)は、2026年4月8日〜4月9日にかけて、AI検索における推薦順位の変動性に関する実態調査を実施しました。
本調査では、ChatGPT(Web版)、Gemini(Web版)、Google AI Mode の3プラットフォームに対し、5業種・23クエリを各50回ずつ、合計3,450回の反復試行を実施。その結果、同じ質問を繰り返しても推薦される企業・商品の「1位」は約3割の確率で入れ替わる一方、最頻1位ブランドに限って見れば、1位を外しても約86%の確率でTop3圏内に残ることが明らかになりました。
【調査の背景】
2025年以降、ChatGPT・Gemini・Google AI Mode などの生成AIによる検索回答は、従来のSEOとは別軸のブランド可視性チャネルとして急速に台頭しています。企業からも「AI検索で自社を1位にできますか」「AIの回答に出るためにはどうすれば良いか」という問い合わせが増加していますが、次のような根源的な疑問が未解決のまま残っていました。
- 「AI検索で1位を獲得した」という報告は、もう一度聞いても同じ結果なのか
- 1位以外はどう扱うべきか。Top3/Top5/出現回数のどれが指標として妥当なのか
- プラットフォームによって挙動は異なるのか
これらの疑問に定量的に答えるため、本調査を実施しました。
【調査概要】
<基本情報>
- 調査実施主体: 株式会社はちのす制作
- 調査期間: 2026年4月8日〜4月9日
- 調査対象: ChatGPT(Web版) / Gemini(Web版) / Google AI Mode の推薦結果
- 対象業種: 健康・医療 / 士業・金融 / SaaS・ビジネスツール / EC・消費財 / 生活サービス
<調査手法>
- 調査規模: 5業種・23クエリ・各50回試行・3プラットフォーム = 合計3,450試行
- 質問形式: 「優先順位をつけて1位から5位まで選んでください。それぞれ選んだ理由も教えてください」で全クエリ統一
- 取得方法: 各プラットフォームへAPI経由で同一質問を自動投入し、回答内で推薦された企業・商品を順位付きで集計
- 集計方法: 各クエリ×プラットフォームごとに最頻1位ブランドを特定し、そのブランドの1位出現率・Top3出現率・Top5出現率を算出。全体数値は23クエリ×3プラットフォーム=69セルの単純平均
<実際に投入したクエリ(全23クエリ)>
いずれのクエリも、末尾に「優先順位をつけて1位から5位まで選んでください。それぞれ選んだ理由も教えてください」という共通サフィックスを付与しています。
- 健康・医療(4クエリ)
- 40代女性におすすめの医療保険
- 花粉症の市販薬
- 腰痛対策におすすめのマットレス
- 妊活中の女性におすすめの葉酸サプリ
- 士業・金融(4クエリ)
- スタートアップの資金調達を支援してくれるVC
- 事業承継に強い弁護士事務所
- 中小企業向けの法人カード
- IT企業の上場準備を支援してくれる監査法人
- SaaS・ビジネスツール(6クエリ)
- 中小企業向けの勤怠管理システム
- BtoB企業のMAツール
- 営業チーム向けのCRM
- 中小企業向けの会計ソフト
- テレワーク向けのビデオ会議ツール
- 社内のナレッジ共有ツール
- EC・消費財(3クエリ)
- 30代男性におすすめのスキンケアブランド
- 在宅勤務向けのオフィスチェア
- 小学生の子供向けのタブレット学習教材
- 生活サービス(6クエリ)
- オンライン英会話サービス
- 大手の引越し業者
- ウォーターサーバー
- 転職エージェント
- オンラインのプログラミングスクール
- 車買取サービス
クエリ除外ルールについて
当初設計した30クエリのうち、以下3基準に該当する7クエリを事前に除外しました。「同じ商品とは何か」の定義が本質的に困難で、集計が歪むためです。
- 粒度混在(商品名とブランド名が混在:プロテイン、健康食品)
- 市場散在(地域・個人事務所が多く全国一位が定義不能:税理士、社労士)
- 型番世代曖昧(シリーズ名と型番世代の同一性判定が困難:冷蔵庫、ランニングシューズ、ロボット掃除機)
※ 本調査では、小数点第1位を四捨五入しています。数字の合計が100%にならない場合があります。
【調査結果トピックス】
Topic 1:同じ質問をしたとき、1位に推薦される企業は毎回同じか
<指標の定義>
本調査における「1位出現率」とは、各質問を50回繰り返したとき、最も多く1位に推薦されたブランド(最頻1位ブランド)が、50回の試行のうち実際に1位に登場した割合を指します。たとえば、あるブランドが50回中30回1位に推薦された場合、1位出現率は60%となり、残り20回は別のブランドが1位として推薦されたことを意味します。
結果:3プラットフォーム平均で1位出現率は 66.9%。
同じ質問を10回繰り返すと、約3回は異なる企業が「1位」として推薦される結果となりました。
| プラットフォーム | 1位出現率 |
| ChatGPT | 55.9% |
| Gemini | 71.5% |
| Google AI Mode | 73.3% |
また、ChatGPTの1位出現率は他2プラットフォームより15pt以上低く、プラットフォーム間でも安定度に明確な差が観測されました。
「AI検索で1位を獲得した」という報告は、次の瞬間には別の企業に入れ替わっている可能性が高いことを意味しています。
Topic 2:最頻1位ブランドは、1位を外してもTop3圏内に残り続けるか
<指標の定義> 本調査における「Top3出現率」とは、各質問で最も多く1位に推薦されたブランド(以下「最頻1位ブランド」)が、50回の試行のうち1〜3位のいずれかに登場したトライアルの割合を指します。たとえば、あるブランドが50回中30回1位に推薦された場合(1位出現率60%)、そのブランドが1〜3位のどこかに登場したトライアルが43回あれば、Top3出現率は86%となります。順位そのものは入れ替わっても、Top3圏内から退場しにくい傾向を捉える指標です。
結果:最頻1位ブランドがTop3圏内(1〜3位のいずれか)に登場した割合(Top3出現率)は平均85.8%でした。1位の座を外しても、Top3圏内から退出しにくい傾向が確認され、1位出現率との差(上乗せ幅)は平均+18.9ptとなりました。
| プラットフォーム | Top3出現率 | 1位比 上乗せ |
| ChatGPT | 73.5% | +17.6pt |
| Gemini | 90.0% | +18.5pt |
| Google AI Mode | 93.9% | +20.6pt |
Top5まで広げると88.5%まで上昇しますが、増加幅は緩やかでTop3との差は小さく、1〜3位の観測で実用上十分な精度が得られると考えられます。
Topic 3:業種による安定度の傾向(参考値)
業種ごとのクエリ数は3〜6本と限定的であるため、業種傾向の一般化された主張はせず、「本調査で観測された傾向」として参考までに共有します。
| 業種 | 1位出現率 | Top3出現率 |
| SaaS・ビジネスツール | 78.6% | 97.0% |
| 士業・金融 | 68.3% | 86.7% |
| 生活サービス | 67.2% | 85.4% |
| EC・消費財 | 61.8% | 84.2% |
| 健康・医療 | 51.3% | 69.8% |
市場リーダーが比較的明確なSaaS分野では1位出現率が高水準(78.6%)で観測された一方、健康・医療の4クエリでは1位出現率が約5割と、本調査内で最も低く観測されました(要因は今後の追加調査で検証予定)。またEC・消費財の3クエリでは、1位出現率(61.8%)からTop3出現率(84.2%)への上乗せが+22.4ptと本調査内で最大となる傾向が確認され、1位単独の観測ではなくTop3までを視野に入れる観測の有用性を示唆する結果となりました。
【先行研究との比較】
海外の先行研究と本調査は、測定指標こそ異なるものの、いずれもAI検索における推薦結果の変動性の存在を定量的に確認している点で方向性が一致しています。
- SparkToro/Gumshoe.ai(2026年1月/英語圏/2,961回) — 同一ブランドリストが完全一致する確率は1%未満
- Maximus Labs(継続公開中) — AI引用元の月次入替率:AIO 59.3%、ChatGPT 54.1%。週次30回以上のサンプリングを推奨
- ALM Corp(2026年2月〜3月) — LLM Consistency と Recommendation Share の2軸KPIを提唱
- 本調査(2026年4月/3,450回) — わずか1〜2日の短期間でも1位出現率が66.9%まで揺れることを定量的に確認。「Top3出現率(85.8%)」が再現性のある定点観測指標として機能しうることを示唆
Maximus Labsは月次での変動(40〜60%の入替率)を報告していますが、本調査では1〜2日の短期計測でも同様に大きな変動が確認されました。これは、時間経過による情報更新に加えて、LLMの生成プロセス自体にも確率的な変動源が存在することを示唆しています(両者はいずれも成立しうる変動要因です)。
【考察:AI検索におけるブランド可視性の観測方法】
1. AI検索の「順位」は確率変数
大規模言語モデルは、同じ入力に対しても毎回異なる出力を生成します。これは「バグ」ではなくAIの本質的な仕様であり、推薦順位が変動するのは避けられません。1回のスナップショットで「何位だった」と報告しても、再現性は担保されません。
2. 最頻1位ブランドのTop3残存率は、観測のぶれを抑えた指標として機能
全体で1位出現率は66.9%にとどまるのに対し、最頻1位ブランドのTop3出現率は平均85.8%に達します。1位の座は試行ごとに入れ替わるものの、そのブランドがTop3圏内に残り続ける傾向は比較的安定しており、同じブランドを追い続ける場合に、1位単独で計測するより観測値のぶれが小さい指標となります。
3. 業種特性に応じた戦略設計が必要
1位出現率が比較的高く観測された業種では「Top3に入り続ける」戦略が有効となる一方、1位出現率が比較的低く観測された業種では、出現頻度そのものを上げるアプローチが必要になる可能性があります。業種別のベースラインを持って戦略を設計することが、AI検索時代のブランディングにおいて重要です。
【提案:AI検索時代の新KPI】
本調査の結果を踏まえ、はちのす制作は以下のKPIによるブランド可視性の計測を提案します。
- Top3出現率:N回の試行でTop3に推薦された割合
- ブランド可視性の定点観測
- 順位帯:出現時の順位の中央値と四分位範囲:
- 用途:ポジショニングの把握(※本調査では実測値の公開は次回以降の予定)
【今後の展開】
はちのす制作では、本調査の結果を踏まえ、以下の取り組みを進めてまいります。
- LLMOコンサルティングの提供拡大(Top3出現率を起点とした、AI検索におけるブランド可視性改善の支援)
- 業種別ベンチマークの蓄積(各業種20クエリ以上)を進め、十分な試行数が集まり次第、業種別ガイドラインとして公開
- 時系列での出現率変動(週次・月次)に関する追跡調査の実施
- AI検索における引用元(ソースURL)の分析と、出現率向上のためのコンテンツ戦略の体系化
【引用・転載時のクレジット表記について】
本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「株式会社はちのす制作(https://hachinosu-seisaku.co.jp/)が実施した調査結果によると……」
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