AI Overview出現を左右しているのは「YMYL属性」よりも「トピック領域(カテゴリ)」か ― 日本語2,609キーワード実測で観察された多軸分析の結果

AI Overview出現率調査 日本語2609KW多軸分析

営業資料の受注率やLP成約率向上を支援するアンケート調査・分析、法人向けリード獲得支援、LLMO・ブランディング記事作成・オウンドメディア運営を手がける株式会社はちのす制作(本社:東京都品川区、代表取締役:小林和司、以下「はちのす制作」)は、日本語Google検索における「AI Overview(AIによる概要)」の出現率を左右する要因を調べるため、2026年4月13日〜4月15日にかけて、2,609キーワードを対象に「YMYL属性」「トピックカテゴリ」「検索意図」「検索ボリューム階層」の4軸で横断的な実態調査を実施しました。

※ LLMO(Large Language Model Optimization)とは、生成AI・AI検索に自社コンテンツが引用・推奨されるよう最適化する取り組みを指す業界用語です。

なお本調査は有意抽出による2,609キーワードプール上の観測であり、日本語検索市場全体の母集団推計ではありません。

より大規模・無作為抽出による追加調査では、観測される傾向が変化する可能性があります。

本調査の2,609KWプール上で観察された主要な傾向は以下の通りです。

  • 同一カテゴリ内ではYMYL属性による有意差は観察されない(育児カテゴリ内でYMYL 67.2% vs 非YMYL 68.9%、z=−0.19, p=0.85、ただし本検定は小標本のため低検出力)
  • 全体比較で観察される+20.3pt差は、YMYL KWが特定カテゴリ(医療・金融・法律)に集中する構造を反映した見かけ上の効果と解釈される可能性(詳細 Topic 1-2)
  • 検索ボリューム階層でAI Overview出現率が大きく変動:ロング64.6% / ミドル63.7% / ビッグ30.7%(ロング vs ビッグで z=13.07, p<0.001)
  • 検索意図別(Know/Do/Buy)では Buy が明確に低い:Know 70.9% / Do 66.0% / Buy 46.9%(Know vs Buy で z=8.45, p<0.001, Bonferroni補正後も有意)
AI Overview出現率 YMYL全体比較と同一カテゴリ内比較
目次

調査の背景

AI Overviewは2024年8月に日本で導入され、2025年3月のコアアップデート以降、表示頻度が急増しています。

一方、日本語Google検索においてAI Overviewの出現率がどのような属性で左右されるのか(キーワードのYMYL性なのか、トピック領域なのか、検索意図なのか、検索ボリュームなのか)を、個別キーワードレベルで多軸的に検証した公開調査は、当社が確認した範囲では存在しませんでした。

本調査は、LLMO対策を検討する企業・SEO担当者にとって、一次データに基づく対策優先度設計のための基礎資料を提供することを目的としています。

調査概要

基本情報

  • 調査実施主体:株式会社はちのす制作
  • 調査期間:2026年4月13日〜4月15日
  • 調査対象:日本語Google検索のキーワード 2,609件
    • 内訳:基礎KW 2,044件(21ジャンルから意図を軸に選定・個別YMYL/意図判定実施)+ 意図バランス補完KW 280件(Know/Do/Buy偏重補完用・パターン分類)+ 純ナビゲーション型Go KW 285件(ニュース型クエリ15件を除外した厳密判定版)
  • サンプリング手法:有意抽出(非無作為抽出)。検索ボリューム加重サンプリングではない
  • 測定頻度:各キーワード1時点・1回のSERP取得(時系列再現性は第2弾調査で検証予定)
  • 取得日構成:基礎KW 2,044件は4月13日・14日の2日間で取得(4/13=696件・4/14=1,348件)、意図バランス補完KW 280件および純Go KW 285件は4月15日に取得

調査手法

  • 検索結果取得:DataForSEO SERP Advanced APIで日本語Google(Desktop版)のSERPを取得し、レスポンスに含まれるAI Overview要素の有無を判定
  • YMYL判定:基礎2,043件について個別キーワード単位で判定(1件「パスポート 申請 手数料」は境界判定保留のためYMYL分析対象外)
  • 意図判定:基礎2,044件をKnow(情報収集)/Do(操作・手順)/Buy(商用調査)/Go(ナビゲーション)の4分類に個別判定。うちKnow/Do/Buyに分類された1,971件を Topic 4 の分析対象とし、Goに分類された72件(基礎KW内)および境界判定保留1件は分析対象外
  • 統計処理:2標本比率の差のz検定、Wilson95%信頼区間。群間比較にはBonferroni補正を適用

YMYL定義の範囲

本調査における「YMYL(Your Money or Your Life)」は、Google Search Quality Rater Guidelinesに準拠し、ユーザーの生活・健康・金銭・安全・市民権・幸福に直接的な実害リスクがあるキーワードを指します。

YMYL該当(n=467)の例

  • 医療・健康:「糖尿病 初期症状」「インフルエンザ 風邪薬」「妊娠初期症状」「離乳食 進め方」
  • 金融・税務:「新NISA 始め方」「相続税 計算」「確定申告 やり方」「住宅ローン 金利」
  • 法律・行政:「相続放棄 手続き」「遺言書 書き方」「交通事故 示談金」「確定申告 必要書類」

非YMYL(n=1,576)の例:「カレー 作り方」「テレビ 選び方」「映画ジャンル 一覧」「ゴルフクラブ 選び方」等

なお、YMYL判定には狭義(上記の3領域のみ)と広義(狭義+キャリア判断・不動産購入判断・体質改善等の周辺領域)の2通りの定義があります。

本調査では狭義を主指標として採用していますが、広義基準でも Topic 2 の差分方向は同等(+20.4pt)であり、定義変更に対して結果は頑健です。

調査結果トピックス

Topic 1:同一カテゴリ内ではYMYL属性による有意差は観察されない

<指標の定義>

YMYLと非YMYLのキーワードが十分に混在するカテゴリ内で、両群のAI Overview出現率を直接比較することで、「YMYL属性そのもの」の効果を測定しました。

育児・子育てカテゴリは、本調査のKWプール内で混在条件を満たす唯一のカテゴリです。

<結果>

分類件数AI Overview出現率95%信頼区間
育児・子育てカテゴリ内YMYL KW67件67.2%[55.3% – 77.2%]
育児・子育てカテゴリ内非YMYL KW45件68.9%[54.3% – 80.5%]
−1.7ptz=−0.19, p=0.85

<考察>

同一カテゴリ内ではYMYL属性によるAI Overview出現率の有意差は観察されませんでした。

ただし、本比較はn=67 vs n=45と小標本であり、統計的検出力が低いため、「差が存在しない」ことを積極的に証明するものではありません。

10pt程度の差であれば検出できない可能性があります。

それでも「もし YMYL属性が全体+20.3ptの主要因であれば、同一カテゴリ内でも相応の差が観察されるはず」と素直に考えれば、少なくとも『カテゴリを超えたYMYL属性単独の大きな効果』は今回の観察からは見つかりませんでした

この観察は、Topic 2 の見かけ上の効果解釈を裏付ける材料になります。他カテゴリでの再現性は今後の追加調査で検証する必要があります。

Topic 2:全体ではYMYL領域の出現率が高く見えるが、カテゴリ偏在の反映

<指標の定義>

本KWプール全体で、YMYL/非YMYL属性別にAI Overview出現率を比較しました。

<結果>

分類件数AI Overview出現率95%信頼区間
YMYL467件78.6%[74.6% – 82.1%]
非YMYL1,576件58.2%[55.8% – 60.7%]
+20.3ptz=7.99, p=1.3×10⁻¹⁵

<考察>

全体ではYMYL領域が+20.3pt高い傾向が観察されました。

しかし、本KWプール内のYMYL KWは医療・金融・法律カテゴリに集中しており、これらのカテゴリ自体がもともとAI Overview出現率の高い領域です。

一方、非YMYL KWはエンタメ・ペット・趣味等のカテゴリに分散しており、これらはもともと出現率が低い領域です。

Topic 1の結果(同一カテゴリ内ではYMYL差が有意に観察されない)と総合すると、この+20.3pt差はYMYL属性そのものの効果ではなく、”YMYL KWがどのカテゴリに集中しているか”というカテゴリの偏りが生んだ見かけ上の効果である可能性が高いと考えられます。

Topic 3:検索ボリューム階層でAI Overview出現率が大きく変動

AI Overview出現率 検索ボリューム階層別(5階層)

<指標の定義>

本KWプール(検索ボリューム取得済みの2,624件)を、日本のSEO実務で一般的に用いられる検索ボリューム階層(ロングテール/ミドル/ビッグ)に層別し、各階層のAI Overview出現率を算出しました。

<結果>

検索ボリューム階層件数AI Overview出現率95%信頼区間
ロングテール(〜1,000)1,210件64.6%[61.9% – 67.3%]
ミドル(1,000〜10,000)886件63.7%[60.4% – 66.8%]
ビッグ(10,000以上)528件30.7%[26.9% – 34.7%]

<群間比較(Bonferroni補正・3ペア, α=0.0167)>

  • ロング vs ミドル:+0.9pt(z=0.46, p=0.65)有意差なし
  • ロング vs ビッグ:+33.9pt(z=13.07, p<0.001)Bonferroni補正後も有意
  • ミドル vs ビッグ:+33.0pt(z=12.00, p<0.001)Bonferroni補正後も有意

<詳細内訳(参考)>

ビッグ階層を細分化すると、10,000〜100,000件では49.1%(285件)、100,000〜1,000,000件では9.6%(230件)、1,000,000件以上では0.0%(13件)と、検索ボリュームが増えるほどAI Overview出現率が急に減っていました

<考察>

ロングテール・ミドル階層は同水準(60%超)である一方、ビッグ階層では出現率が半分以下まで低下しました。

Topic 4:検索意図別(Know/Do/Buy)ではBuyが明確に低い

AI Overview出現率 検索意図別(Know/Do/Buy/Go)

<指標の定義>

基礎2,044キーワードをKnow(情報収集)/Do(操作・手順)/Buy(商用調査)/Go(ナビゲーション)の4分類に個別判定し、Know/Do/Buyに分類された1,971件を本Topicの分析対象としました(基礎KW内でGoに分類された72件は純ナビゲーション型の補足セクションで別途扱い、境界判定保留1件は分析対象外)。

<結果>

検索意図件数AI Overview出現率95%信頼区間
Know(情報収集)1,002件70.9%[68.0% – 73.6%]
Do(操作・手順)568件66.0%[62.0% – 69.8%]
Buy(商用調査)401件46.9%[42.1% – 51.8%]

<群間比較(Bonferroni補正・3ペア, α=0.0167)>

  • Know vs Do:+4.9pt(z=1.99, p=0.046)名目有意だがBonferroni補正後は非有意
  • Know vs Buy:+24.0pt(z=8.45, p<0.001)Bonferroni補正後も有意
  • Do vs Buy:+19.1pt(z=5.95, p<0.001)Bonferroni補正後も有意

<考察>

Know/DoはAI Overview出現率が6〜7割と比較的高水準で、両者の差はBonferroni補正後には有意ではありませんでした。

一方、Buyクエリ(「おすすめ」「比較」「ランキング」等の購買検討型)ではAI Overview出現率が46.9%と明確に低い傾向が観察されました。

なお、海外先行研究(Ahrefs 2024)では「AI Overviewが出現したクエリのうち99.2%は情報収集型(Know)クエリである」と報告されています。

これは「AI Overview出現クエリ全体に占めるKnowの構成比」を示す指標であり、本調査の「Know意図クエリの中でAI Overviewが出現した割合 70.9%」とは分母が異なるため直接比較はできません

ただし、両研究とも「Know寄りの意図でAI Overviewが多く出現する/Buy寄りで出現が少ない」という方向性については整合していると言えます。

補足:Goクエリ(純ナビゲーション型)について

本調査ではGo(純ナビゲーション:特定ブランド・サイトへの到達意図が明白なクエリ)285件についても別途スキャンを実施し、AI Overview出現率10.5%を観測しました。

ただし、Goクエリは「amazon」「ヨドバシドットコム」のように特定目的地への到達が明確なため、Googleが要約(AI Overview)を生成する実用的理由が乏しく、出現率が低い傾向は設計上の必然と考えられます。

この観測はGo型クエリの性質を定量的に確認した参考値であり、Know/Do/Buyと同列の「意図別階層構造」として比較するのは適切ではないため、本調査の中核的発見からは除外しています。

先行研究との比較

  • Ahrefs(2024年/英語圏) — “I Analyzed 300K Keywords. Here’s What I Learned About AI Overviews”にて、300,000キーワードの分析から「AI Overviewが出現したSERPs全体のうち、99.2%がInformational(情報収集型)、Commercial 5.8%・Transactional 4.0%で合計10%未満」(分母:AIO出現SERPs)と報告。この指標は「AIOが出た検索結果の意図構成比」であり、本調査の「意図別KWのうちAIOが出現した割合」(分母:意図別KW)とは分母が異なるため数値の直接比較は不可。ただし両研究とも「Informational(Know)寄りでAIOが多く出現する/Commercial(Buy)寄りで少ない」という方向性については整合
  • Google Search Quality Rater Guidelines(当社調査時点の最新版) — YMYL領域は慎重に扱うと明記。今回調べた2,609KWの範囲ではYMYL領域のAI Overview出現率がむしろ高い傾向を観測しましたが、同一カテゴリ内ではYMYL差が有意に観察されなかったため、「YMYL属性そのものによるアルゴリズム上の抑制・促進効果」を結論付けるには追加検証が必要です
  • 本調査(2026年4月/2,609KWプール) — 日本語市場で個別KW単位のYMYL判定×AI Overview出現率を多軸クロス集計した公開検証(当社が確認した範囲では類似の公開事例は未確認)

考察:日本語市場におけるAI Overview出現の主要因

1. AI Overview出現を左右する主要因は「トピック領域(カテゴリ)」である可能性

同一カテゴリ内ではYMYL属性による有意差が観察されず(低検出力の留保付き)、全体でのYMYL優位はカテゴリ偏在の反映と解釈できる一方、検索ボリューム階層では出現率が2倍以上の差を示しました。

これらの観察は、キーワード単体の属性(YMYL/検索意図)よりも、そのキーワードが属するトピック領域と検索ボリューム帯がAI Overview出現の主要因となっている可能性があります

2. ロングテール・ミドル帯のコンテンツ戦略にAI Overview対策を組み込む重要性

ロングテール(〜1,000)・ミドル(1,000〜10,000)の検索ボリューム階層では、全体の60%超でAI Overviewが出現します。

コンテンツ戦略として下層ボリューム帯を取りに行く際には、AI Overview出現時の引用可能性を意識する重要性が従来以上に高まっていると考えられます。

3. 対策設計は「YMYL属性単独」より「カテゴリ・ボリューム軸」の方が実際のデータに即している

本調査では、YMYL属性単独の効果(同一カテゴリ内での差)は観察されませんでした。

一方、検索ボリューム階層による差(ロング64.6% vs ビッグ30.7%)は明確でした。

LLMO対策設計にあたっては、「YMYLだから/そうでないから」というキーワード属性単独の判断よりも、カテゴリ特性と検索ボリューム階層を軸とした優先度設計のほうが、少なくとも今回のデータとは合っています

AI Overview出現を規定する4つの要因 影響度マップ

今後の展開

  • 第2弾調査(2週間後):同一2,609KWを再スキャンし、AI Overview出現率の変動・再現性を検証
  • 第3弾調査(1ヶ月後):時系列推移の可視化ダッシュボード公開を予定
  • カテゴリ内比較の拡張:育児以外のカテゴリでもYMYL/非YMYL混在セットを用意し、カテゴリ支配仮説の再現性を検証
  • モバイル版との比較調査:本調査はDesktop限定のため、Mobile環境での差分調査を別途実施予定

引用・転載時のクレジット表記について

本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。

<例>「株式会社はちのす制作(https://hachinosu-seisaku.co.jp/)が実施した2026年4月AI Overview出現率実態調査(n=2,609、Desktop版Google日本)によると……」

調査の制約事項(Limitations)

  • 1時点のスナップショット(AI Overviewは動的に変動するため、時系列再現性は第2弾以降で検証)
  • 基礎2,044KWは2026年4月13日〜14日の2日間で取得しており、YMYL群・非YMYL群間で取得日構成に若干の偏りが残存。日次変動がAI Overview出現率に与える交絡の可能性は否定できない
  • Desktop版Google日本のみ対象(Mobile環境は未検証)
  • キーワードは有意抽出で取得(検索ボリューム加重・無作為サンプリングではない)
  • Topic 1の同一カテゴリ内比較はn=67 vs n=45と小標本のため、統計的検出力が低い
  • YMYL判定・意図分類は個別KW判定を採用したが、境界ケース(Do/Know境界、Buy/Know境界等)は判定者の裁量を含み、異なる判定者間で±5pt程度の揺らぎが残存する可能性がある
  • カテゴリ内YMYL比較は育児・子育ての1カテゴリのみ(他カテゴリはYMYL/非YMYLが一方に偏るため未実施)
  • 他社のAI Overview調査とはサンプリング手法・YMYL判定基準・意図分類基準(特に分母の定義)が異なるため、数値の直接比較は不可
  • AI Overviewの検出はDataForSEOのパース結果に依拠

運営サービス

会社概要

  • 会社名: 株式会社はちのす制作
  • URL: https://hachinosu-seisaku.co.jp/
  • 本社所在地: 〒140-0015 東京都品川区西大井1丁目1−2 Jタワー西大井イーストタワー 2階 品川区立 西大井創業支援センター
  • 電話番号: 050-5050-3124
  • 代表取締役: 小林和司
  • 設立: 2023年8月
  • 資本金: 100万円
  • 事業内容: Webコンテンツ制作、マーケティング、Web広告運用、メディア運用

本件に関するお問い合わせ先

株式会社はちのす制作 広報担当 URL:https://hachinosu-seisaku.co.jp/

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