競合他社のSEO記事に勝つために必要な独自性・差別化の考え方
本記事では、SEO記事制作における独自性・差別化のポイントを解説します。
- 検索ボリュームが小さい場合
- 独自性が読者にとって有用である場合
詳細は「そもそもSEO上、差別化は必要か:最も大きな因子ではないが「あった方が良い」が正しい」をご覧ください。
- 生成AIによる低品質な記事が増える中、差別化するには、人が書いた独自性の高いコンテンツが一番シグナルとして分かりやすいことが想定されるため
詳細は「独自性が今後重要視される理由:生成AIの台頭がメイン」をご覧ください。
- 企業・メディアの思想・理念・考え方を記載する
- 専門家へ依頼する
- 構成のストーリー性に注目する
詳細は「他記事と差別化するための3つの方法」をご覧ください。
そもそもSEO上、差別化は必要か:最も大きな因子ではないが「あった方が良い」が正しい
SEO記事においては「独自性」が重要だと言われることが増えました。
ところが、実際はどうでしょうか。
検索画面上において、有用だと思われるコンテンツが多いかと聞かれると、少ないと思われる方が大半でしょう。
結果論として、多くのSEO記事においては「独自性が高いから上位表示されている」というワケではないということが分かります。
どちらかといえば、ドメインパワーといった他の指標の方が、優先度が高いことに気付くでしょう。
一方で、あるケースにおいては独自性が有用であることを弊社では観測しています。
それは下記2つのパターンです。
- 検索ボリュームが小さい場合
- 独自性が読者にとって有用である場合
検索ボリュームが小さい場合
Googleで検索されるキーワードは下記の3つに分けられます。
- ビッグキーワード
- ミドルキーワード
- ロングテールキーワード
このうち、ミドルキーワード以下の場合には、独自性の有用性が高いと判断される例が複数見られました。
実際、弊社の記事は自社のノウハウや知見・考え方が多めのコンテンツとなっていますが、この背景には下記3つの理由が考えられます。
- スモールキーワードの方が競合が小さくなりやすい
- 構成・文章内容といった因子の方が大きくなる
- 独自性が入ることで、検索意図を満たしやすくなる(こともある)
スモール・ミドルキーワードは検索意図が狭まるため、ぴったり検索意図と合致するコンテンツを用意することでドメインパワーが小さくとも、すぐに順位が付くケースはよく見られます。
その後はエンゲージメントでの勝負となりますが、結果として独自コンテンツがあることが読み物として評価されていることが多いのでしょう。
独自性が読者にとって有用である場合
ドメインパワーが大きく負けていた場合でも、ある独自性が高い内容を盛り込んだことで順位が改善された例がありました。
これは検索ボリュームが10,000程度のビッグキーワードです。
その内容は、これまで有料のツールなどでしかできなかった処理を、Googleスプレッドシートなどの標準(無料)ツールを使って可能にするという内容でした。
「無料でやりたい」という読者の検索意図に刺さる内容であったと想定されます。
Google検索セントラルでは、下記の内容がコンテンツの評価に関わっていると説明しています。
ユーザーを第一に考えたコンテンツに焦点を当てる – 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
- 特定のユーザー層がすでに存在しているか、想定されており、その人たちがビジネスまたはサイトを直接訪問した際に、コンテンツを有用だと感じてくれると思いますか。
- コンテンツは、実体験や深い知識(たとえば、実際に商品やサービスを使用したり、ある場所を訪れたりした経験に基づく特別な知識)を明確に示していますか。
- サイトには主要な目的またはテーマがありますか。
- コンテンツを読み終わったユーザーは、あるトピックについて、目的を果たすのに十分な情報を得たと感じることができますか。
- コンテンツを読んだユーザーは、有益な時間を過ごせたと感じられますか。
「独自コンテンツだから意味がある」というよりかは「読者にとって価値があるから意味がある」というように理解しておくとよさそうです。
独自性が今後重要視される理由:生成AIの台頭がメイン
独自性は生成AIの対抗馬になります。
というのも、生成AIに独自性を組み込む場合にはLLMの構築やファインチューニングなど、まだまだ費用と時間がかかる項目が多い状態だからです。
従って、自身のノウハウ・独自性が詰まったコンテンツを、小さい費用で自動生成するにはまだ時間がかかりそうです。
このため、生成AIによる低品質な記事との差別化としては、人が書いた独自性の高いコンテンツが一番シグナルとして分かりやすいことが想定されます。
ところで、Google側ではなにも「生成AIがNG」という表現はしていません。
AI 生成コンテンツは Google 検索のガイドラインに抵触しますか?
AI や自動化は、適切に使用している限りは Google のガイドラインの違反になりません。検索ランキングの操作を主な目的としてコンテンツ生成に使用すると、スパムに関するポリシーへの違反とみなされます。
Google 検索で AI 生成コンテンツを禁止しないのはなぜですか?
自動化は有用なコンテンツを作成するために制作の現場で長い間使用されてきました。AI を活用することで、これまでにない面白い方法で有用なコンテンツを作成したり、コンテンツをさらに改善したりできます。
よくある質問 – AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス | Google 検索セントラル
あくまでも「SEO対策のために作成された、低品質な生成AIが微妙です」という話ですので、誤解しないように留意ください。
実際、弊社ではChatGPTをコンテンツの一部で活用し、生成AIを併用した記事を作成していますが、下記のような順位が取れています。
生成AIがダメという訳ではなく、低品質なコンテンツや、すでに世の中にあるコンテンツを複製するような意味のない行為が無駄なのです。
取って付けたような独自性は不要
誤った情報を伝えることは「悪」です。
明確にGoogle検索セントラルにおいても下記のように記述されています。
専門性に関する質問 – 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
- コンテンツに明らかな事実誤認はありませんか。
従って、嘘をつく、あるいは読者に大きな誤解をさせる文章は控えた方が良いのが明白です。
あるいは取って付けたような内容もNGだと弊社では考えています。
例えば、下記のようなケースです。
- 例①:
他社メディアが「○○の歴史」という見出しを用意していたので、もっと細かく内容を記載するようにした。 - 例②:
他社メディアが「○○の選び方」という項目を用意していたので、不確かだが別の切り口を入れてみた。
これらは取って付けたような内容であり、そもそも上位表示につながる見込みは低いです。
また、競合の模倣困難性も低いため、結果として小手先だけの対策の繰り返しになってしまうのです。
もちろん、検索意図を精査した上での必要なコンテンツ差分は有用です。
記事を精査した上で、新たな視点や有益な情報が発見された場合は、積極的に記載すると良いでしょう。
他記事と差別化するための3つの方法
他記事と差別化を図るためには、独自性を出すのが手っ取り早いです。
ところが、無理に独自性を担保しようとすれば、読者視点ではなく、発信視点での記事となり、結果順位が付かないことも多くなります。
そこでここからは他社記事との差別化を図るための3つのヒントを記載します。
- 企業・メディアの思想・理念・考え方を記載する
- 専門家へ依頼する
- 構成のストーリー性に注目する
1.企業・メディアの思想・理念・考え方を記載する
オウンドメディア記事の差別化の中で一番簡単なのは企業の思想・理念・考え方を記載することです。
ここでの思想・理念・考え方とは、ある事象に対してのモノの考え方のことです。
極端ですが、例えばライターマネジメントにおいて、マイクロマネジメントをすべきでないと考える企業・メディアもあれば、そうすべきだと考えるメディアもあるでしょう。
この場合、メディア内でそう伝えてしまえばいい訳です。
一般論とは逆の立ち位置を取るメディアの場合、記事の内容は独自要素が強めになります。
従って、差別化は図れた状態となります。
自社にはそういった考え方やノウハウが無い、と考える企業・メディアほど、実は深掘っていけば考え方があるものです。
無いという場合には、改めてメディアの目的や意義について振り返ってみると良いでしょう。
なお、アフィリエイトメディアの運営が少しずつ難しくなってきた背景には、こうした立ち位置が明確でないケースが散見されるから、という理由もあります。
逆に、正しくユーザーの評価をつけ、公平に順位を定めているアフィリエイトメディアは今でも順位が取れているケースがあります。
自社の考え方・メディア方針を可視化する方法は下記の記事をご覧ください。
2.専門家へ依頼する
記事の独自性を出すには、その記事テーマに沿った正しく広い知見が必要不可欠です。
例えば、自社メディアが旅行先のメディアを展開しているのであれば、旅行に詳しいガイドにコメントをもらうなどが差別化につながりますし、結果として読者にとってコンテンツが有益となる可能性が高くなります。
一言で言えば「ニッチ度」「権威性」が差別化に繋がるということです。
3.構成のストーリー性に注目する
構成のストーリー性とは、その構成を目次で見たときに連続して読みたいか、そうでないかを表す弊社独自の指標です。
元来、SEOコンテンツは一時的に情報を収集するコンテンツでしかないため、目次通りに読まれることはほぼありません。
気になった部分のみ拾っていくのが読者の動きです。
一方で、ゼロから最後まで読まれることがあります。
この動きが発生するのはコンテンツ自体にストーリー性があり、最初から読みたいと思われた場合です。
難しい技術ですが、特にミドル・スモールキーワードの場合に検討できるものです。
独自性はコンバージョンとも関係がある
特に無形商材の場合、独自コンテンツや内容がコンバージョンに影響をもたらす事例をたびたび目にしてきました。
一般的な記事と、独自コンテンツがあふれている記事では明らかにCVRが異なります。
極端な例ですが、月間10,000ボリュームのキーワードであったとしても、CVRが0.05%の場合、CV数は月間5件。
一方で、検索ボリュームが500のキーワードの場合でCVRが1%の場合も同様に5件です。
SEO記事では、記載する文章の内容がコンバージョン獲得の結果に大きな影響を及ぼす他、その後の商談化率にも影響を及ぼします。
SEOコンテンツの制作の際は、独自性にも注目してコンテンツを作成してみましょう。