線をつないでみたらメッセージが!シンカトリの広告が面白い
パッと目を惹く広告、見た瞬間に心をつかまれるポスター。
宣伝には消費者を瞬間的にキャッチする力が求められます。
ところが、何が描かれているのか分からないことで話題を集めている広告があります。
分かりやすさが求められる時代の中で、あえて分かりにくさを魅力としている、ユニークな広告の例を見てみましょう。
何が書かれているのかわからない
「金鳥(キンチョウ)ブランド」として親しまれる、大日本除虫菊株式会社が発売した、新しいタイプの蚊取り剤「シンカトリ」の新聞広告が話題を集めています。
用意されているのは2つのパターン。
ところが、どちらも何が書かれているかは分かりません。
組み合わされているのは「蚊」と謎の記号のみ。
広告には「飛んでいる蚊を数字の順につないでみましょう」との記載のみ。
たくさんの蚊をみて、思わずドキッとした方も多いのではないでしょうか。
思わず線をつなぎたくなり、時間を費やしてしまう
何か分からないものを見つけてしまうと、知りたくなってしまうのが人間の好奇心というものです。
実際に1、2、3…と番号をつないで線を引いていくと、文字が浮かび上がってきます。
ただし、文章の後半部分が先に見えてくるため、結局最後までやり切らなければ、その全貌はつかめません。
実際につないでみた方からは「シンカトリか、買いにいくか」なんてコメントも。
結構時間を使ってしまった、というコメントも見受けられました。
手を動かして楽しめる新聞広告はSNSに投稿したくなる
手を動かして楽しめる新聞広告の例は他にもあります。
味の素は「親子でつくろう『ペーパーままごと』」と銘打って、新聞紙面上に切り取ったり千切ったり丸めたりして遊べる食べ物の画像を掲載しました。
お寿司や海苔巻きを作ったり、ビザやホットケーキやパンにトッピングしたりと、実際に遊べる広告です。
「フルーツいっぱいのパンケーキ、手巻き寿司、餃子の皮やトーストも。楽しそう」というコメントをXに投稿している方もいました。
手を動かして楽しめる新聞広告は、他の人にもシェアしたくなるという特徴を持っています。
日本新聞協会の調査によると、調査対象者のうち約17%の人が、SNSで新聞広告について投稿したり、「いいね」などの反応やシェアする経験がありました。
投稿、反応、シェアの理由は、「好きな商品/サービスの広告だったから」「広告の内容が楽しかったから」「話題になったり拡散したりしそうな内容だと思ったから」などでした。
自分が手を動かした新聞広告はSNSで発信されることにつながり、広告の効果は波及していく可能性があることが分かります。