アナログとデジタルを組み合わせた新しい広告とは?
広告には看板や車内吊り広告などのアナログ版と、オンラインでのデジタル版があります。
どちらにもそれぞれの良さや効果がありますが、最近では、この2つを組み合わせることで、新しい面白さを創り出している広告の例も。
広告や表現の可能性を広げている最前線とも言える、新しい広告の形を、実例とともに見ていきましょう。
車内広告にカメラを向けるとARが飛び出してくる
こちらは沖縄の車内に掲載された、位置情報ゲームingressのイベント「アノマリー」の広告です。
スマホで広告に掲載されているQRコードを読み取ると、カメラの画面からARの人物が飛び出してくるという、面白い仕掛けが施されています。
まるで自分の視界に急に人が現れるようで、思わず広告を二度見してしまいそうです。
アノマリーの担当者によると、「車内の中吊り広告のWebAR連動広告は、多くの人を驚かせてゲームに興味を持ってもらうことを目指しています」とのこと。
次のイベントは2024年9月21日(土)に函館で開催予定とのことで、WebARもさらなる企画を準備しているそう。
楽しみに待ちましょう。
広告の形式自体が宣伝したいゲームのコンセプトと重なっている
ingressは、スマートフォンの位置情報を利用する陣取りゲームです。
今回の広告は、那覇で開催されたイベント「アノマリー」についてのものでした。
ingressは現実世界にある場所がゲーム内のPOI(Point Of Interest)として登場し、参加者が実際に外に出て歩くことがベースとなるお散歩アプリでもあります。
「世界は見たままとは限らない」をコンセプトとした、バックストーリーが展開されていることがゲームの特徴です。
つまり、広告にARが隠されていることは、ゲームのコンセプト紹介にもなっているのです。
ただ物珍しい広告であるというだけではなく、仕掛けそのものがゲームの内容と結びついている点がユニークだと言えます。
アナログ広告とデジタルのARとの組み合わせに可能性がある
他にも、アナログとデジタルを組み合わせた広告の例があります。
アメリカのテネシーウイスキーメーカー「ジャックダニエル」はスマホのARアプリを提供しました。
アプリをダウンロードした上でスマホのカメラをジャックダニエルの瓶に向けると、ARの飛び出す絵本アニメーションが始まり、創設者の生涯や蒸留所、製造工程についての物語が楽しめます。
こちらは、すでにジャックダニエルが手元にある人向けのARであるため、購買を促進する広告ではなく、ブランドイメージを伝える伝達手段となっています。
アナログとデジタルを組み合わせて伝えられることには、まだまださまざまな可能性がありそうです。