サイコグラフィックとは?データ収集方法や活用例を解説

サイコグラフィックとは?データ収集方法や活用例を解説

この記事を読めばサイコグラフィックとは何かや活用例、データの収集方法がわかります。

サイコグラフィックとは

サイコグラフィックとは、ライフスタイルや趣味、嗜好、価値観など心理学的要素で消費者を分類した属性のこと

この記事のまとめ
① サイコグラフィック以外の
  セグメンテーション
  • ジオグラフィック
  • デモグラフィック
  • ビヘイビアル

詳細は「サイコグラフィック以外のセグメンテーション」をご覧ください。

② サイコグラフィックデータの
  マーケティング活用例
  • 顧客セグメンテーション
  • 商品開発
  • 広告・宣伝

詳細は「サイコグラフィックデータのマーケティング活用例」をご覧ください。

③ サイコグラフィックデータの
  収集方法
  • アンケート調査
  • インタビュー
  • フォーカスグループ
  • SNS分析

詳細は「サイコグラフィックデータの収集方法」をご覧ください。

目次

サイコグラフィックとは|消費者が「なぜ」購入するのかを分析する手法

サイコグラフィックの例

サイコグラフィック(心理的変数)とは、ライフスタイルや趣味、嗜好、価値観など心理学的要素で消費者を分類した属性のことです。

消費者が「なぜ」商品やサービスを購入するのかを分析する手法として、マーケティングの分野で活用されています。

サイコグラフィックで考慮される主な要素は以下の通りです。

サイコグラフィックの要素
  • 価値観
    人生における重要な価値観や信念
  • ライフスタイル
    日常生活における行動や習慣
  • 性格
    性格や気質
  • 興味・関心
    趣味や関心のある分野

サイコグラフィックは、消費者の商品・サービスに対する関心・感情など、内面的な部分を理解することで、より効果的なマーケティング戦略の構築が期待できます。

サイコグラフィック以外のセグメンテーション

サイコグラフィック以外のセグメンテーション

セグメンテーションには、「サイコグラフィック」以外にも「ジオグラフィック」「デモグラフィック」「ビヘイビアル(ベヘイビオラル / 行動変数)」という属性があります。

ジオグラフィック(地理的変数)

ジオグラフィックとは、居住地や交通機関、勤務地、人口密度などの地理的属性のことです。

ターゲットの行動パターンやニーズに基づいたサービスを展開する際に活用されます。

地域密着型ビジネスにおいてはとても重要なセグメント(区分)です。

デモグラフィック(人口動態変数)

デモグラフィックとは、年齢や性別、学歴、収入などの客観的にわかる人口統計学的属性のことです。

ターゲット層を明確にし、効果的な商品開発や広告を打ち出すのに役立ちます。

ビヘイビアル(行動変数)

ビヘイビアルとは、使用頻度や利用時間、アクセス履歴などの行動パターンに基づく消費者の行動に基づく属性のことです。

実際の顧客行動をもとに分類するため、他のセグメントに比べて確度が高いといえます。

効果的なマーケティング戦略の策定や商品・サービスの開発の活用に有効です。

サイコグラフィックデータのマーケティング活用例

サイコグラフィックは、他のセグメントと組み合わせて活用することでより効果を発揮します。

マーケティングにおけるサイコグラフィックデータの主な活用例は、以下の3つです。

  1. 顧客セグメンテーション
  2. 商品開発
  3. 広告・宣伝

1.顧客セグメンテーション

サイコグラフィックデータは、他のセグメントと合わせて活用することで、ペルソナの設定や効果的なマーケティング戦略の策定に役立ちます。

定義上、ペルソナは顧客セグメントを擬人化したものだとされており、顧客セグメントが異なる場合は、それぞれに合わせたペルソナを設定します。

企業視点ではなく消費者視点のマーケティングを行う上でペルソナ設定は重要です。

実際のターゲットとの間に差異を生じさせず、マーケティング戦略のベースとなる顧客セグメンテーションを設定するためには深掘りしたサイコグラフィックデータが必要です。

2.商品開発

サイコグラフィックデータの活用は、商品・サービスの開発にも役立ちます。

ターゲットとなる顧客の求めるものが分かるため、顧客ニーズや価値観に合わせた商品・サービスの開発が可能です。

さらに顧客自身も把握していない深層心理まで深堀りすることは、より満足度の高い商品・サービスの開発にもつながり、新たな可能性を見出すことも可能です。

また、自社の強みや改善点の把握も可能であり、他社との差別化を図ることにも役立ちます。

より顧客のニーズに合わせた商品・サービスを提供することは、新規顧客やリピーターを増やす上でも非常に重要です。

3.広告・宣伝

サイコグラフィックデータは、広告や宣伝をするうえでも活用できます。

顧客ニーズを把握することで、効果的な広告・宣伝を打ち出すことが可能になります。

ターゲットに合わせたキャッチコピーを使用することで、より顧客の心に響く宣伝となります。

また、Web広告の場合は、ライフスタイルや趣味に合わせたターゲティング広告を出せるため、ターゲットとする顧客に向けて直接的に宣伝できるのも特徴です。

ターゲットを絞った宣伝は、広告費用の削減にもつながるといったメリットもあるため、広告費用に限りがある企業にとっては、サイコグラフィックデータを活用した広告・宣伝は有効です。

サイコグラフィックを含む各セグメンテーションを適切に組み合わせ、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングを行うことで、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。

この一連のプロセスはSTP分析と呼ばれ、マーケティングにおいて重要視されています。

サイコグラフィックデータの収集方法

サイコグラフィックデータは消費者の内面的な部分を要素とするデータであるため、ターゲットを見ただけではデータを収集できません。

ここでは、サイコグラフィックデータの収集方法を4つ解説します。

  1. アンケート調査
  2. インタビュー
  3. フォーカスグループ
  4. SNS分析

1.アンケート調査

顧客や見込み顧客となるターゲットに対して、アンケート用紙やフォーム、パネルを活用して直接アンケートを取る方法です。

さらに、メルマガやLINE登録者は商品・サービスのファンであることが多いため、定期的にアンケート協力依頼を出すことで、より的確かつ正確性のあるデータを獲得できるでしょう。

アンケートのスタイルは選択肢を設ける選択形式よりも、自由に記載ができる自由回答形式の方がより具体的で幅広いデータの取得が可能です。

2.インタビュー

直接ターゲットに向けてインタビューを行う方法もあります。

直接質問をすることで、高い回答率で正確性の高い情報を得られるでしょう。

実店舗がある企業の場合は、来店した顧客に対してインタビューするのもおすすめです。

また、ペルソナに近い存在の友人・知人に協力してもらうことも顧客ニーズの把握につながる場合があります。

「休みの日には何をするのか」「最近あった面白いこと」「購入したもの」など、さりげない質問からサイコグラフィックデータを収集できることもあります。

3.フォーカスグループ

フォーカスグループとは、複数の顧客を集めて座談会を行い、意見・考えを交換してもらう方法です。

テーマをあらかじめ決めた上で、ある程度ターゲットを絞って開催すると正確なデータの収集が可能になります。

また、複数人のターゲットの話を一度に聞けることもメリットです。

効率を重視する上で有効な手段だといえます。

5W1Hなどを活用して意見や考えを深堀りすることで、ターゲットが抱く潜在的ニーズの把握にもつながります。

4.SNS分析

顧客のSNS投稿やフォローしているアカウントから分析する方法です。

自社のSNSアカウントをフォローしているターゲットが、他にどのような興味・関心を抱いていて、どのような価値観を持っているのかなど把握できます。

直接顧客と関わることがない企業にも有効な方法だとされます。

また、自社SNSでフォローやコメント、シェアを求める内容のキャンペーンを開催し、反応率を見るのもターゲットの興味・関心を把握するのに役立ちます。

サイコグラフィックの注意点

サイコグラフィックは、データ獲得から時間が空いてしまう場合や、顧客や社会の状況によっては結果が変わることがあります。

常に新しいデータを基にセグメンテーションを行うことが重要です。

サイコグラフィックは他のセグメントと併用することで、より効果的なマーケティング戦略や的確なペルソナ設定に役立ちます。

あくまでサイコグラフィックは、消費者の内面的な情報であるため、単体で活用するだけでは十分な効果を発揮できません。

また、個人によってデータは変わるため、過度な一般化は避ける必要があります。

決めつけや思い込みは、誤ったマーケティング戦略の策定やペルソナの設定につながることもあるため、注意する必要があります。

消費者の内面を理解するサイコグラフィックで、効果的なマーケティングを

サイコグラフィックは、マーケティングにおいて消費者の内面を理解する上で重要です。

表面的には分からないサイコグラフィックであるからこそ、データの収集も欠かせません。

サイコグラフィック単体で活用するのではなく、デモグラフィックやジオグラフィックなど他のセグメントと一緒に活用して、より効果的なマーケティングを行いましょう。

目次