B to B オウンドメディアのコンセプト設計方法を5つのステップで解説

B to B オウンドメディアのコンセプト設計方法を5つのステップで解説

B to B 向けオウンドメディアにおけるコンセプト設計のゴールは、自社メディアのあり方を端的に示すことです。

究極「一言でいうとどんなメディアなの?」が言えればOK。

これが明確になると、メディアとしてのあり方・運営方針が決まります。

本記事では、B to B 向けオウンドメディアのコンセプトを設計する方法を5つのステップで解説します。

※コンセプト設計の必要性については、下記の記事をご覧ください。

目次

コンセプト設計5つの手順

コンセプト設計の手順は下記の5つです。

  1. 「定性面」「定量面」の目的を設定
  2. 自社の強みをまとめる
  3. 顧客像を固める
  4. 競合他社の調査(USPの決定)
  5. 共通項からコンセプトを導き出す

「競合他社を先に分析しましょう」という声も聞きますが、弊社のコンセプト設計は完全に逆から進めます。

その理由は競合分析から始めると、自社らしさが出せなくなるからです。

あるべき姿から逆算し、あくまでも競合調査は選定するキーワードや物理的な設計の参考までに控えるのがおすすめです。

※競合分析から始める文化は、アフィリエイト記事の場合には向いています。

この記事ではアフィリエイト記事についての記載はしていないため、別記事を参考にされてください。

STEP1:「定性面」「定量面」の目的を設定

B to B 向けオウンドメディアのコンセプト設計で「定性面」「定量面」の目的を設定する際のイメージと、当メディア「Easy Driven」の例

オウンドメディアの目的を設定します。

決める目的の指標は「定性面」と「定量面」の2種類です。

定性面

定性面には、メディアを見たお客様に自分たちは何を伝えたいかを記載します。

例えば当メディア「Easy Driven」であれば下記が想定されます。

  • 読んだ読者がマーケティング課題を解決できる
  • とにかく簡単に、集客方法がわかり、実行できる

オウンドメディアを読んだお客様に何を分かってもらいたいのか、どんな行動を促してもらいたいのかを考えます。

この行動が、自社商材のメリットからくる、ベネフィットと一致すると全体のメディアCVRは高まります。

ベネフィットと解決方法が紐づく例
ベネフィット問題解決方法
より安い金額で、リードを獲得できる比較的安価に獲得できるFacebook広告の運用代行のノウハウ

逆に、自社商材が全く関係のない分野の価値提供をするメディアを構築すれば、全体としての検索順位が見込めず、CVRもほぼ改善されることはないでしょう。

定量面

定量面項目では、オウンドメディア運営における目標値を考えます。

  • 問い合わせ数
  • 資料請求数
  • セッション数
  • PV数

などが指標となるでしょう。

なお「読みごたえ」や「読者満足度」などは定性項目であり、定量項目ではありません。

定性目標を定量目標へと落とすためには、

  • 「スクロール率◯%ユーザー」が全体の◯%
  • 「ページ/セッション」が〇以上

など、多少粗くても数字を使って指標を表現することをおすすめします。

ここが定量化しづらい場合には、コンサルティングも検討しましょう。

STEP2:自社の強みをまとめる

自社の強みとは、自分たちがお客様に提供できる価値のこと。弊社、株式会社はちのす制作の場合を例として記載

オウンドメディアの目標が決まったら「自社の強み」をまとめます。

自社の強みとは、自分たちがお客様に提供できる価値のことです。

自社の強みを出すときは、ブレインストーミング形式で、粒度は気にせず思いついたことをまずは洗い出します。

自分の頭の中で一旦止めるのではなく、まずは思いついたものをたくさん出していくことが重要です。

STEP3:顧客像を固める

顧客像を「デモグラフィック」「サイコグラフィック」「叶えたいこと」「悩んでいること」の4つの観点から言語化した例

「デモグラフィック」「サイコグラフィック」「叶えたいこと」「悩んでいること」の4つの観点から顧客像を具体的に言語化します。

ここでいう「デモグラフィック」とは、年齢・性別・学歴など、人口統計学的な属性のこと。

「サイコグラフィック」とは、顧客の感情的な要素を指します。

ステップ2で挙げた自社の強みは、顧客像にも大きく反映されます。

それぞれの指標のイメージ例
デモグラフィック
(企業ベース)
・年商30億円以上の大手企業
・月500万円のマーケティング予算がある
・無形商材を強みにしている企業
サイコグラフィック
(企業ベース)
・ROIと同じくらい全体のブランディング要素を重要視している企業
・自社記事のレベルは自社自体とリンクするため、質が低い記事は書きたくない
・リスクマネジメントを重要視している
叶えたいこと
(担当者単位)
・広告依存によるCPA高騰化から脱却したい
・自社製品や想いを反映させつつも、SEO対策も実施したい
・リソースが小さいため、最小のコストで記事を作りたい
・いつかは内製化したい
悩んでいること
(担当者単位)
・安易に外注して、自社のこだわりを曲げられた記事を書かれたことがあり、外注化には不安
・コンサルティングは自社リソースがないため、失敗
・効果が出るまでの期間に不安を感じている

上記のように、企業ベースの悩みと、対面となる担当者の悩みまで落とすと、この後の工程が楽になります

叶えたいこと、悩んでいることも同様に、従来は言語化してこなかったこと、言葉にしていたことも含めて顧客像を確定させていくことが重要です。

STEP4:競合他社の調査(USPの決定)

競合調査で自社のUSPを発見する流れを示す図

競合調査は自社のUSP(Unique Selling Proposition = 自社の商品やサービスの強み)を発見するために使います。

ここではニュートラルに、複数のフレームワークを活用し、競合を調査していきます。

この際、大項目として下記2つに競合を分けることが重要です。

  • 実質競合
  • Web上の競合

実質競合

実質競合の例(はちのす制作の場合)

実質競合の調査で目指すべきアウトプットは上記の形です。

競合の特徴はどうで、自社はどのポジションにいるのかを可視化できればゴールです。

このために、下記のフレームワークと、STEP2で記載した「自社の強み」を使います。

使用できるフレームワーク
  • SWOT分析
  • 4C分析

Web上の競合

自社のUSPを明確にした後、Web上でどのように表現するのかを決めるために必要なのがWeb上の競合調査です。

Web上の競合調査では、他社のオウンドメディアのコンセプトと課題解決の切り口を洗い出します。

オウンド
メディア名
コンセプト課題解決の形
〇〇のマーケティングブログ読んだ読者がマーケティング課題を3分で理解できる・1,000文字のコンテンツの量に絞る
・関連するホワイトペーパーを各ページに用意

競合を洗い出す際は「狙いたい検索クエリ」で実際に調べてみると良いでしょう。

STEP5:共通項からコンセプトを導き出す

オウンドメディアのコンセプトを決めるため、オウンドメディアの目的、顧客像、自社のUSPの共通項からコンセプトを導き出す例

最後に、オウンドメディアのコンセプトを決めます。

これまでに定めてきた

  • オウンドメディアの目的(Step1)
  • 顧客像(Step3)
  • 自社のUSP(Step4)

の三要素を円状に重ね、共通する要素こそがオウンドメディアのコンセプトです。

オウンドメディアのコンセプトはとにかく簡単に、一文で表せられるようにすると良いでしょう。

オウンドメディアのコンセプト設計は5つのステップで

本記事では、B to B 向けのオウンドメディアにおけるコンセプト設計の決め方を5つのステップに分けて解説しました。

コンセプト設計は、コンバージョン獲得と社内の意識統一には欠かせない要素です。

自社ならではのメディアを作るためにぜひお役立てください。

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