なぜ、B to Bオウンドメディアにも、コンセプト設計が必要なのか?

なぜ、B to Bオウンドメディアにも、コンセプト設計が必要なのか?

結論、オウンドメディア運営の主な目的は2つしかないと弊社では考えています。

  1. 売上につなげるため
  2. お客様に認知してもらうため

このうち「売上につなげるため」は分かりやすいでしょう。

B to B 商材を扱う場合、商品を採用いただくには会社の承認が必要です。

そして多くの場合、費用対効果や相場を見極めるために相見積もり方式になり、複数社との比較になるケースになるということです。

特に大企業の場合は、上記のケースがよく見られます。

つまり、お客様より多数の競合サービスと比較され、その上でどの会社がベストなのか? という議論を経て晴れて導入となる、ということです。

よくあるB to Bの検討フロー

つまり、比較されることを前提に商談を進める必要がありますが、比較対象に選ばれないと導入に至ることはありません。

比較対象に選ばれるために取れる戦略がコンテンツマーケティングであり、その一手段として重要なのが、オウンドメディアです。

目次

お客様に認知してもらうためにオウンドメディアが役立つ

自社商材が比較対象となるためには、お客様の認知を取る必要があります。

ここで言う「認知」とは、例えば弊社の場合、「はちのす制作は、B to B オウンドメディアの運用・構築がうまそうだ」と、お客様がイメージできる状態です。

他にも競合は複数存在しますが、まずは検討のテーブルに乗ることではじめて顧客との対話が成立します。

この状態であれば、インサイドセールスによる荷電、あるいはお客様からのお問い合わせからの自動的なエスカレーションが実現します。

認知を獲得することで、はじめて比較対象としてお客様に検討してもらえるのです。

では、オウンドメディアをどのように運用すれば、認知が獲得できるのでしょうか。

弊社では下記のフローを経ることで、認知を獲得できると考えています。

  1. よく見る
  2. 他とは違う
  3. 印象に残る=認知獲得

ここでは「田中太郎株式会社」がマーケティングの一環としてオウンドメディアを立ち上げる時のことを想定してみましょう。

1.よく見る | 必要な情報の仕入れ段階でよく見るサイトであること

自社に新しいものを取り入れる場合、担当者がまず実施するのがWeb検索です。

オウンドメディアの立ち上げに必要な情報を探し求めることでしょう。

もちろん予算がある場合はすぐに外注先を探すため、「一括見積もりサイト」などを初手から活用する可能性もあります。

ですが、事前情報もなしに見積もり比較をするのは難しいため、結局「オウンドメディア」の尺度を上げるために、「オウンドメディアの関連情報」を調べるのです。

例えば「新規オウンドメディアの立ち上げ」だと、下記のようなキーワードでWeb検索することが想定されます。

キーワードにおける検索ボリュームと成約率のイメージ

オウンドメディア構築の現実性が増すほど、調べるキーワードはより深く、専門的になっていくことが分かるでしょう。

ここで重要なのは、それぞれのキーワードのボリュームにかかわらず、とにかく担当者が調べるであろうキーワードで上位表示をさせることです。

粒度は細かくとも、自社のターゲットであれば調べるであろうキーワードで1位を獲得しておくことが大切です。

まずは調べた時にWeb上に自社記事が存在する状態が「よく見る」のフェーズを達成するための最低条件となります。

2. 他とは違う | 差がある

昨日検索して読んだ記事をあなたは覚えていますか? 多くの場合、覚えていませんし、そこまで興味がないというのが正しいでしょう。

実際「Not quite the average: An empirical study of Web use」によれば、1アクセス中に読むテキスト量はおよそ全体の30%程度だったという結果が示されています。

つまり、多くの人が記事なんてほぼ読んでないのです。

本読者の方もここまで読むのにかけた時間は30秒以内で、読んでいるというよりかは記事を「見ている」のではないでしょうか。

一度読んだ記事を見たくらいで読者が記事を覚えている、あるいは、その記事のメディア名を覚えているなんてことはありません。

制作者側のエゴでしかないのです。

こうした当たり前のことを見落としてしまうため、「記事が上位表示されているのに自社への問い合わせが増えない」といった錯覚が生じるのです。

ただし、その前提が覆るパターンがたった2つだけ存在します。

  1. 記事の内容が担当者(検索ユーザー)のニーズをドンピシャで満たすこと
  2. カラーやイメージが統一されていること

1.記事の内容が担当者(検索ユーザー)のニーズをドンピシャで満たすこと

検索ユーザーには、大なり小なり解決したい問題があります。

例えば「CTRの改善方法」を考えた際に、検索者が欲しいのは解決策と解決方法です。

つまり、ただ改善例が網羅的に並んでいるコンテンツでは検索意図は満たせません

極端にいえば「貴社の場合、無料のこの具体策を実施すれば、CTRが改善できるよ!」という記事こそがドンピシャで検索意図を満たすのです。

この際、その解決方法がユニークであれば読者はその記事URLをブックマークしたり、少なくとも記憶の印象にも残ることでしょう。

再度検索しないと同じ情報が得られないのですから。

2.カラーやイメージが統一されていること

人は見た目が8割、という言葉が示すようにオウンドメディアにおいても見た目が重要です。

なぜなら人は記事を読んでいるのではなく、見ているからです。

誤解なきようにいただきたいのは、奇抜なデザインという意味ではなく、統一感があればOKだということになります。

例えば、各記事においてカラーが統一されていない場合、この色さっきも見たな、とはなりません。

同じようなカラーバリエーションだからこそ、他とは違うこの感じ、何か見たことあるな、となるわけです。

このようなステップを経て、読者が問題解決のために何度も見るオウンドメディアの一つになると、ステップ3:「印象に残る」へとフローが進み、担当者が気になる会社の一つとなれるわけです。

3.印象に残る

1~2のステップを経ることで、この会社は「検索キーワード領域」において強い会社なのだろう、という印象が漠然と残ります。

これを強固にするためには、記事に「自社らしさ」を入れていく必要があります。

自社らしさとは、考え方・ノウハウ・思想と言い換えられます。

例えば、この記事内に記載されているのは、弊社のオウンドメディアの考え方であり、ノウハウともいえるかもしれません。

そして自社のオリジナルな書きぶりは、読者の印象にも残りやすくなります。

弊社では「思想」と呼んでいますが、各社には何を「正」とするか、という考え方があるはずです。

同じ中身に対しても、物事の見方は変わります。

それでいいのです。

むしろ平易な文章はすでにChatGPTなどでも書ける時代になっています。

自社の考え方を投影させる記事を書いてはじめて、効果の生む記事を書けるでしょう。

読者の印象に残るコンセプト設計とは?

読者の印象に残るコンセプト設計を実現するためには、下記の手順でデザインを統一させる必要があります。

  1. 自社ブランドの定義
  2. オウンドメディアの存在意義・役割の決定
  3. ブランドルールの策定

例えば、今ご覧になっている弊社サイトの「ブランドルール」は下記のようになっています。

ブランドカラー

「きはだ色」が弊社のブランドカラーです。

はちのす制作のブランドカラーについて:「きはだ色」が弊社のブランドカラーです。

推奨カラー

アクセントカラーや推奨カラーパレットも設計しています。

はちのす制作の推奨カラー組み合わせ一覧早見表
はちのす制作のその他の使用可能な装飾用カラー(推奨カラーパレット)

画像のトンマナ

画像のトンマナです。

はちのす制作の使用画像のトンマナ(イメージ)

フォント

フォントも指定しています。

はちのす制作のブランド指定フォント

このように私たちは、コンセプト設計によってブランドカラーやイメージ画像、フォントなどを言語化し、お客様の印象に残りやすいオウンドメディアの運用を目指しています。

記事を見たときに、内容を読まなくても「これってはちのす制作さんだよね」という状態を作るのがオウンドメディアのミッションです。

まとめ:オウンドメディアはコンセプト設計命

コンセプト設計を取り入れることで、お客様の印象に残りやすくなり、オウンドメディアの目的である商材の採用にもつながりやすくなります。

後回しにすると後々修正が大変です。

この機会にぜひコンセプト設計にチャレンジしてみてください。

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