ブランディングとは?意味や成功事例をわかりやすく解説!
本記事を読めば、ブランディングの意味を深く理解でき、ブランディングを高める方法がわかります。
- インナーブランディング
- 商品・事業ブランディング
- 採用・育成ブランディング
詳細は「ブランディングの種類」をご覧ください。
- ブランドのコンセプトを明確にする
- ターゲット顧客を決める
- 自社や競合の分析をする
- 自社の強みを活かす戦略を立てる
詳細は「ブランディングを高める4つのポイント」をご覧ください。
- スターバックス
- Apple
- 星野リゾート
詳細は「企業のブランディング成功事例3選」をご覧ください。
ブランディングとは
ブランディングとは、本来記号的要素である「社名」や「商品名」に独自の意味を持たせ、信頼の獲得や他社との差別化を目指すことです。
例えば、弊社の場合は「伝えるを、もっと簡単にする」という価値観を大切にしています。
弊社のロゴや商品・サービスページをご覧いただくだけで、上記の価値観が伝わり、そのベネフィットが読者に伝わると、弊社のブランディングはうまくいっているといえるでしょう。
ブランディングをコンテンツ単位で進めるためには、実務的に上記のような資料を作成することが多いです。
あわせて、ブランディングを理解するうえで欠かせないのが「ブランド・エクイティ」です。
ブランド・エクイティとは、ブランドがもっている価値を、資産として可視化する試みのことです。
ブランドはあいまいな概念ではなく、商品や人材と同じように管理可能な資産です。
ブランド戦略を成功させるためには、ブランド・エクイティを高めることが重要です。
企業におけるブランディングの目的は価値創造
企業ブランディングの目的は、価値の創造です。
ブランドは企業の提供する商品やサービスの品質、独自性を示すだけでなく、顧客との信頼関係を築き、信頼を高める役割があります。
そのため、ブランディングは企業の長期的な成長と発展に必要不可欠です。
効果的にブランディングを展開すれば、他社にはない価値を顧客に提供できます。
自社独自の価値を提供し続けることで差別化に成功し、事業の成長につなげられます。
企業におけるブランディングの価値は信頼獲得
企業におけるブランディングの価値は「顧客からの信頼の獲得」にあります。
信頼を獲得するほど、自社商品やサービスが選ばれやすくなるからです。
「あの企業は信頼できる」という印象は、ブランディングの積み重ねによって成立しています。
それだけではありません。
取引先や求職者からも信頼され、選ばれる可能性が高くなります。
取引先から信頼されれば、ビジネスチャンスの拡大につながり、求職者から信頼されれば、優秀な人材の獲得につながります。
ブランディングとブランドの違い
- ブランディング
他社にはない独自のブランドを作ること - ブランド
識別記号とイメージが結びついたもの
識別記号とは、顧客がブランドの存在に気づき、ほかと異なる存在だと認識するための記号を指します。
- ロゴ
- 社名
- 理念
- コンセプト
- ブランドカラー
- 国
- 特徴
- 広報キャラクター
- パッケージデザイン
識別記号を見てイメージが生まれる場合、それはブランドだといえます。
例えば、ユニクロの社名を見て「安価で高品質」というイメージが生まれれば、ユニクロのブランド化は成功しています。
他にも「店内が綺麗」「安いのにおしゃれ」などのイメージも、ユニクロのブランドが持つ価値といえます。
ブランディングの種類
ブランディングは誰に伝えるのかによって下記3つに分かれます。
- 従業員向け
インナーブランディング - 消費者・顧客向け
商品・事業ブランディング - 求職者・採用候補者向け
採用・育成ブランディング
1.インナーブランディング
インナーブランディングとは、社内向けに行われるブランディングです。
- 社内報
- 社内研修
- 経営層との交流
- 社内イベント
上記を通じて、自社ブランドの価値や企業理念などを社内に浸透させる目的があります。
2.商品・事業ブランディング
商品・事業ブランディングは、自社商品や事業が顧客に選ばれ続けるためのブランディングです。
- 価格設定
- 広告宣伝
- 販促イベント
- SNSアカウントの運用
- オウンドメディアの運営
上記の施策を通じて、自社商品や事業の成長を促進し、顧客から長く信頼される企業を目指します。
3.採用・育成ブランディング
採用・育成ブランディングとは、求職者が自社を選んでくれるよう働きかけるブランディングです。
- 採用イベントへの出展
- 福利厚生の充実
- 採用ページの作成
- 自社をPRする動画の制作
- オフィス環境の整備
自社の魅力をPRすることで「この会社で働きたい」と意欲を高める狙いがあります。
労働人口が減っているなかで、優秀な人材を確保するためにも重要なブランディングです。
ブランディングを高める4つのポイント
ブランディングを高めるポイントを解説します。
- ブランドのコンセプトを明確にする
- ターゲット顧客を決める
- 自社や競合の分析をする
- 自社の強みを活かす戦略を立てる
1.ブランドのコンセプトを明確にする
ブランドのコンセプトを明確にしましょう。
コンセプトを明確にすることで、仕事内容や会社の目指す方向性にブレがなくなります。
- ブランドの価値観を考える
- ブランドが目指す社会的意義を考える
- 顧客が共感できるブランドストーリーを考える
2.ターゲット顧客を決める
ブランドのコンセプトを明確にしたあとに、ターゲット顧客を決めます。
ターゲット顧客を決めることで、効率よく広告費用を配分できるからです。
最も効果の高いターゲットに広告を集中させることで、費用対効果の向上が期待できます。
- 事前にセグメンテーションを行う
- ターゲット顧客のニーズを把握する
- ターゲット顧客の購買行動を調査する
3.自社や競合の分析をする
ブランディングは、自社や競合の分析をすることも重要です。
自社の強みや弱みを把握することで、他社にはない優位性を見出し、それをブランディングに活かせるからです。
- 自社と競合の強み・弱みを分析する
- 競合の特徴と戦略を分析する
- 競合にはない自社の独自性を見つける
- 自社のブランド・エクイティを算出する
4.自社の強みを活かす戦略を立てる
自社の強みを活かす戦略を立てましょう。
強みを活かすことで、競合との差別化を図れるからです。
- 顧客に独自の価値を提供する方法を考える
- ブランドのコンセプトに沿った体験を提供する
- 強みを強化できる専門性の高い人材を採用する
- 強みを証明する実績やエビデンスを発信する
企業のブランディング成功事例3選
企業のブランディング成功事例を3つ紹介します。
- スターバックス
- Apple
- 星野リゾート
1.スターバックス
スターバックスは、高品質のコーヒーとおしゃれで高級感のある店舗空間が人気のコーヒーチェーンです。
スターバックスのブランディング戦略の特徴は、サードプレイス(第3の場所)というコンセプトです。
自宅や会社以外の居場所を提供することで、顧客の信頼を獲得することに成功しました。
また、スターバックスの特筆すべきことは、マス広告に多額の資金を投資せずにブランドを築き上げたことです。
ブランド戦略というと「多額の資金を投資しないといけないのでは?」と思うかもしれませんが、必ずしもそうではないことをスターバックスの成功が証明しています。
2.Apple
スマートフォン市場でトップシェアを誇るAppleは「高価格帯のスマホ」というブランドを確立しています。
ブランドを確立できた主な要因は「顧客体験の優位性」にあると考えられます。
- 高級感を演出した箱を開封する楽しみ
- 簡単に初期設定ができる
- 修理のサポート体制が充実している
良い顧客体験を提供し続けたことで、ブランドの競争力が高まり、スマートフォン市場で大きな成功を収めました。
3.星野リゾート
星野リゾートは「星のや」「界」などに代表される高級ホテルを運営しています。
星野リゾートが運営している各高級ホテルのコンセプトは、以下のとおりです。
- 星のや
圧倒的な非日常 - 界
ご当地の魅力に出会える温泉旅館 - リゾナーレ
リゾートで想像を超える体験
顧客への価値提供をコンセプトに設定し、多様な顧客ニーズに対応できるサービスを提供しています。
ブランディングにおいて、コンセプト設定の重要性がわかる成功事例です。
ブランディングの確立は事業の成長に直結
ブランディングに成功すれば、顧客や求職者からの信頼を獲得できます。
ビジネスチャンスの拡大だけでなく、優秀な人材の確保にもつながります。
本記事の内容を参考にして、ブランディングの実施を検討してみてください。
【参考文献】山口 義宏『デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール』翔泳社、2018