【独自調査】検索行動の「二段階化」とは? 15,000人調査で見えた生成AI時代のSEO戦略

ChatGPTやGeminiの登場により、ユーザーの検索行動が変化しています。
AI Overviewsの表示やLLM(大規模言語モデル)の普及により、「SEOが以前より難しくなった」と感じているメディア運営者も多いのではないでしょうか。
そこで株式会社はちのす制作では、2025年6〜7月にかけてインターネット調査を実施しました。
一般ユーザー11,000人・ビジネスパーソン5,452人、計15,000人超を対象にスクリーニング調査を実施しました。
さらに本調査として1,651人(一般1,101人・法人550人)の回答を詳しく分析しています。
本記事では、その調査データをもとに検索行動の「二段階化」の実態と、これからのSEO・LLMO戦略を解説します。
※本記事は以下の動画の内容をベースに、法人向け調査データも加えて再構成しています。
- 生成AIで概要把握(一次検索)→ 検索エンジンで比較・決断(二次検索)の二段階化が進行中
- 51.2%のユーザーが生成AIで調べた後に追加で検索し直している
詳細は「検索行動の「二段階化」とは?」をご覧ください。
- 生成AIの認知率は71.2%、調べ物に活用した経験がある人は46.7%
- LLM流入の影響度は一般ユーザーで約7.38%、法人領域で約18.37%と推定。今後さらに拡大の見込み
詳細は「生成AIの認知と利用の現状」をご覧ください。
- 「ビッグKW×ブランド戦略」と「ロングテール×CV戦略」の2軸が有効
- 従来のSEOに加え、AI Overviews対策とLLMO対策が必須に
詳細は「これからのSEO戦略 — 2つのアプローチ」をご覧ください。
生成AIの認知と利用の現状 — 7割が「知っている」、5割が「調べ物に使う」

生成AIの認知率は71.2%
今回の調査では、一般ユーザー11,000人を対象に「ChatGPT、Gemini、Microsoft Copilot、Claude、Perplexity AIなどの生成AIツールを耳にしたことがありますか?」と質問しました。
結果は以下の通りです。
- 「はい」:71.2%
- 「いいえ」:28.8%
およそ7割以上のユーザーが、生成AIの存在を認知している状況です。
特徴的だったのは、60代以上の認知率が他の年代よりも高かった点です。
一方、20〜40代では「知らない」層が一定数存在しており、世代による認知のばらつきも見られました。
なお、LINEヤフーが実施した調査では認知率が9割を超えています。
調査母体や時期による差はあるものの、現在の生成AI認知度は7〜8割程度と考えられます。
生成AIで「調べ物をしたことがある」のは46.7%
次に、「生成AIを聞いたことがある」と回答した7,274人に対し、「生成AIを使って調べ物をしたことがありますか?」と質問しました。
- 「はい」:46.7%
- 「いいえ」:53.3%
約半数のユーザーが、生成AIを調べ物の手段として活用していることが分かりました。
現状は普及途上ではありますが、無視できない数字であることは間違いありません。
今後、生成AIの利用はさらに拡大すると想定されるため、LLMO(LLM最適化)対策の重要性はますます高まると言えます。
一方、ビジネスパーソン5,452人を対象にした法人向け調査では、生成AIで調べ物をしたことがある人は34.2%でした。
ただし役職者に限ると利用率は大きく上がり、課長クラスで66.8%、部長・次長クラスで67.8%に達しています。
BtoB商材を扱う企業にとって、決裁層が生成AIを積極的に活用している点は見逃せません。
生成AIで何を調べている? — 「分かりづらいもの」の解消がメイン

調べ物の中身は「言葉の定義」「専門用語」「商品比較」
「生成AIで調べ物をしたことがある」と回答した一般ユーザー1,101人に、「何を調べましたか?」と質問しました。
上位に挙がったのは以下のカテゴリです。
- 言葉の定義・専門用語の理解
- 言い回しや問題の解決
- 商品・サービスの比較
つまり、「分かりづらいもの」をより分かりやすくする場面で生成AIが活用されている傾向があります。
また、商品・サービスの比較のように「調べ物が面倒な場合」にスペックの違いや機能差を生成AIで確認するユーザーも増えてきています。
興味深い点として、占いや恋愛相談にChatGPTを利用する層も存在しており、その73.5%が女性という結果も出ています。
最初に使う検索手段は? — 検索エンジン56.0% vs 生成AI 22.2%
「直近で何かを調べようと思ったとき、最初に使う手段は何でしたか?」という質問に対する回答は以下の通りです。
- Googleなどの検索エンジン:56.0%
- ChatGPT・Geminiなどの生成AI:22.2%
- TikTok・YouTube・InstagramなどのSNS:その他
依然として検索エンジンが主流ですが、生成AIはSNSよりも高い頻度で「最初の検索手段」として選ばれています。
現状は発展途上ですが、今後ChatGPTやGeminiが検索行動全体に与える影響はさらに大きくなると考えられます。
法人向け調査(決裁関与者550人)では、検索エンジンが41.9%、生成AIが27.1%、SNSが13.7%、社内への相談が9.3%でした。ビジネスパーソンは一般ユーザーよりも生成AIを最初の手段として使う割合が高く、検索エンジンへの依存度が低い傾向にあります。
検索行動の「二段階化」とは? — 一次検索(AI)→ 二次検索(検索エンジン)

生成AIを使う理由は「端的な答え」「聞けばなんとかなる」
ユーザーがChatGPTやGeminiを使う理由として、以下の回答が挙がりました。
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 端的な答えが返ってくるから | 33.6% |
| とりあえず聞けばなんとかなる | 25.0% |
| 比較やまとめがラクだから | 17.2% |
「ざっくりと内容を把握する」用途で生成AIが選ばれていることが分かります。
面倒な比較作業や情報の要約にも活用されており、生成AIは「手軽に概要をつかむツール」として位置づけられています。
生成AIがよく使われる領域 — 専門的な内容の要約が44.1%
クエリの種類別に見ると、生成AIの利用率には大きな差があります。
| 領域 | 生成AI利用率 |
|---|---|
| 専門的な内容を分かりやすく理解・要約したいとき | 44.1% |
| 商品やサービスの違いを調べたいとき | 21% |
| 旅行・お出かけ先のおすすめ情報を見たいとき | 16% |
「要約して持ってくる」タイプの調べ物で生成AIが最も活用されていることが明らかになりました。
生成AIだけでは完結しない — 51.2%が「追加で調べ直す」
一方で、「生成AIで調べた後に別のサイトやアプリで追加で調べますか?」という質問には、51.2%が「詳しく調べ直す」と回答しています。
具体的には以下のような行動が確認されました。
- Googleで改めて検索する
- SNSでレビューや体験談を見る
- 商品の比較サイトを確認する
ChatGPTだけで完結するユーザーは少数派です。
多くのユーザーは、生成AIで概要を把握した上で、検索エンジンで比較・決断を行っています。
これが、はちのす制作が提唱する「検索行動の二段階化」です。
- 一次検索(生成AI):概要把握・情報の要約
- 二次検索(検索エンジン):比較・検討・最終判断
また、生成AIで調べた際に「その答えに載っていたWebサイトを見に行くことがある」というユーザーも一定数存在しています。
LLMでメンション(言及)されること自体が、検索行動への導線になることも示唆されています。
SEOへの影響 — LLM流入は全体の約7.38%、AI Overviewsにも注意

LLM流入の影響度は現時点で約7.38%
今回の調査データをもとに、「全体のうち何人が生成AIを知っていて、うち何人が調べ物に使い、うち何人が最初の手段として使うか」を掛け合わせて計算すると、LLM流入の影響度は約7.38%と算出されました。
実際のメディアのアクセス解析を見ると、現時点でのLLM経由流入は0.1%〜1%未満という企業が多いと思われます。
しかし、今後はこの7.38%という水準に近づいていく可能性があります。
さらに注目すべきは法人領域での影響度です。
ビジネスパーソン向け調査のデータをもとに同様の算出を行うと、LLM流入の影響度は約18.37%に達します。
BtoB商材を扱う企業にとっては、すでにLLMO対策が喫緊の課題であると言えます。
AI Overviewsがオーガニック検索の上に表示される時代
加えて注意すべきは、Google検索結果にAI Overviewsが表示されるようになったという変化です。
AI Overviewsはオーガニック検索結果よりも上部に表示されるため、従来のSEO対策だけでは不十分になりつつあります。
今後は以下の三方面での対策が求められます。
- 従来のSEO対策(オーガニック検索での上位表示)
- AI Overviews対策(Googleの「AIによる概要」に引用される)
- LLMO対策(ChatGPTやGeminiで言及・引用される)
生成AIは「聞けばなんとかなる」ツールとして人の負担を軽減するものであり、技術の普及傾向を考えると、LLM流入は今後さらに拡大していくと想定されます。
したがって、LLMOへの対策は必須です。
生成AIに置き換わるクエリ・猶予があるクエリ

すべてのクエリが等しく生成AIの影響を受けるわけではありません。
クエリの種類によって、影響度は異なります。
置き換わりやすい領域 — Knowクエリ×一次性
- 言葉の定義:33.2%がChatGPTを使用
- 専門用語の理解・言い換え:39.2%がChatGPTを使用
「答えが1つしかない」タイプのクエリ(Knowクエリ×一次性が高いもの)は、生成AIに置き換わるスピードが速いと考えられます。
猶予がある領域
一方で、以下の領域にはまだ猶予があります。
- 主観的なクエリ(占い・恋愛相談など):少しずつ広がっているが、まだ生成AIの独壇場ではない
- 旅行・お出かけ・レビュー系:SNSが依然として優位
- Buy / Go / Doクエリ(購買・行動系):最終判断にChatGPTを使うユーザーは少なく、結局Google検索に戻ってくる
ただし、猶予があるとはいえ、LLMの中で自社商材が言及されるかどうかは極めて重要です。
言及されなければ、二次検索の候補にすら入らないリスクがあります。
これからのSEO戦略 — 2つのアプローチ

検索クエリは時代とともに細分化が進んでおり、「クレジットカードとは?」と「クレジットカード おすすめ」のように、一語の違いで検索結果が大きく変わるようになっています。
生成AIの普及により、検索意図はさらにシャープになっていくと想定されます。
LLMも、シャープな検索意図に最適なコンテンツをサーチして返す形に進化していくでしょう。
こうした変化を踏まえ、今後のSEO戦略は大きく2つのアプローチに分かれます。
戦略① ビッグキーワード×ブランド戦略
予算に余裕がある企業向けの戦略です。
- 大きなキーワード(例:「第一想起とは」)で自社の定義・主張を発信する
- 一般的な定義に自社の視点を加えることで、キーワードの定義そのものを「塗り替える」
- LLMに言及されることでブランドロイヤリティの向上につながる
戦略② ロングテール×CV戦略
予算を抑えたい企業にも有効な戦略です。
- LLMでの一次検索後に再検索する約50%のユーザーを刈り取る
- ロングテール=検索意図がシャープなコンテンツを制作する
- シャープなコンテンツはLLMの引用元に選ばれやすい
- ChatGPT経由の流入はCVR(コンバージョン率)が高い傾向がある
小さなパイではあるものの、CVRの高い流入を確実に獲得することで、費用対効果の高いコンテンツ戦略が実現できます。
よくある質問
検索行動の「二段階化」とは何ですか?
生成AI(ChatGPTやGeminiなど)で概要を把握する「一次検索」と、その後Google等の検索エンジンで比較・検討・最終判断を行う「二次検索」の2ステップで調べ物をする行動パターンです。
本調査では、51.2%のユーザーが生成AIで調べた後に追加で検索し直していることが分かっています。
LLMOとは何ですか? SEOとの違いは?
LLMOとは「LLM Optimization(大規模言語モデル最適化)」の略で、ChatGPTやGeminiなどの生成AIに自社の情報を言及・引用してもらうための対策です。
SEOがGoogle検索での上位表示をめざすのに対し、LLMOは生成AIの回答内で自社が取り上げられることをめざします。
LLM流入の7.38%という数字はどのように算出されていますか?
一般ユーザー向け調査における「生成AIの認知率(71.2%)」×「調べ物での利用率(46.7%)」×「最初の手段として生成AIを使う割合(22.2%)」を掛け合わせて算出した推定値です。
実際のメディアでのLLM経由流入は現時点で0.1%〜1%未満が多いですが、今後この水準に近づいていく可能性があります。
なお、法人向け調査のデータで同様に算出すると約18.37%となり、BtoB領域ではすでにより大きな影響が出ていると推定されます。
生成AIの影響を受けにくいクエリはありますか?
あります。
「旅行・お出かけ先のレビュー」などSNS優位の領域や、「商品の購入・比較」など最終判断を伴うBuy/Go/Doクエリは、生成AIだけで完結しにくく、検索エンジンに戻ってくる傾向があります。
一方、「言葉の定義」「専門用語の理解」といったKnowクエリは置き換わりやすい領域です。
予算が限られている企業はどのようなSEO戦略を取るべきですか?
「ロングテール×CV戦略」が有効です。
検索意図がシャープなロングテールキーワードでコンテンツを制作することで、LLMの引用元に選ばれやすくなります。
また、ChatGPT経由の流入はCVR(コンバージョン率)が高い傾向があるため、小さなパイでも費用対効果の高い集客が期待できます。
検索行動の二段階化が示す、SEO・LLMOの次の一手

2025年6〜7月に実施した15,000人超規模のインターネット調査から、以下のことが明らかになりました。
- 生成AIの認知率は71.2%、うち46.7%が調べ物に活用
- 検索行動は「一次検索(生成AI)→ 二次検索(検索エンジン)」の二段階化が進行中
- LLM流入の影響度は一般ユーザーで約7.38%、法人領域で約18.37%と推定され、今後さらに拡大の見込み
- 比較・価格系キーワードでのSEO対策は引き続き必須
- LLMO(LLMでの言及・メンション)対策も新たな重要施策に
検索行動が「AI+検索」のハイブリッドへと移行する中、従来のSEO対策に加えて、AI Overviews対策やLLMO対策を含めた総合的な検索対策が求められています。
株式会社はちのす制作では、SEO対策・LLMO対策をコンテンツ制作会社として支援しています。
「LLMO・SEO、これからどうやっていけばいいんだろう?」とお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
本記事でご紹介した調査データの詳細は、無料のホワイトペーパー『15,000人のデータで読み解く「LLM時代のSEO最前線」』にまとめています。
BtoB・BtoCそれぞれのファネル分析や、具体的なLLMO対策についても解説していますので、ぜひご覧ください。
