印刷ミスかと思ったら真っ白の広告だった!ユニークなアイスクリームの広告
ふと立ち止まってしまう広告を目にすることがあります。
デザインやコピーが面白かったり、奇抜だったり、斬新だったりと、目を惹く理由はさまざまです。
今回ご紹介する広告には「何も描かれていないのでは?」と驚かされます。
ただし、そのデザインにも重要な意味があります。
一体どういうことなのか見ていきましょう。
アイスクリーム「明治 Dear Milk」の広告は真っ白で目を惹く
電車内に掲示された株式会社明治のアイスクリーム「明治 Dear Milk」の広告です。
電車内の中吊り・窓上・ドア横、全て真っ白になっており、「広告がないのか」と思ってしまいます。
近づいてよく見てみると、「原材料、乳製品のみ」「Dear Milk」などの文字が書かれていることに気付きます。
なんと、インクは使わずに、ニスで文字を描いているのだそうです。
インクの色すら加えないという、「何も足さない」ことへの本気度が込められています。
渋谷駅地下エリアの壁面に掲示された、やはり真っ白な広告には、右下隅に、ポツンとアイスクリームのパッケージの写真が置かれています。
「なぜ真っ白なのだろう?」と立ち止まってしまう人もいるのではないでしょうか。
商品の最大の特徴を白一色で端的に伝えている
真っ白な広告は、目立たせようとして奇をてらったデザインにしたわけではありません。
商品のコンセプトを明確に伝えるための白一色なのです。
「明治 Dear Milk」は、国内初の「原材料、乳製品(北海道十勝製造)のみ」で作られたアイスクリームです。
素材を削ぎ落としていき、ミルクの味わいを最大限引き出したミルクカップアイスであることを、シンプルな広告で発信しています。
「何も足さない」という、商品コンセプトの最大の特徴を、白一色で端的に表現している広告なのです。
シンプルな広告が商品の良さをはっきり伝えられることがある
ネスレのチョコレート「キットカット」の広告もとてもシンプルです。
真っ白な背景に商品が置かれているだけです。
本来、2つのブロックがくっついているチョコレートが、ここでは離れています。
特別の説明はありませんが「一時停止ボタン」をイメージしているデザインであると想像されます。
キャッチコピーはお馴染みの「Have a break.Have a KitKat」です。
シンプルな広告からは、チョコレートを食べながら「一息つきましょう」というメッセージが伝わってきます。
このように、シンプルな広告のほうが、かえって商品の良さをはっきり伝えられることがあります。
情報が溢れている現代社会の中だからこそ、シンプルなメッセージが引き立っているのではないでしょうか。